朝出かけて帰ってこない人も…夫、娘の事故で痛感 「命助けてもらったから」交通遺児支援で毎月寄付し40年
事故から1週間。眼鏡を作りに行き、うなぎが食べたいと話す夫と店に行った帰り道、松葉づえとかばんを抱え、70キロの体格の夫を背負って駅まで歩いたことは今でも忘れられない。事故の後遺症で痛む脚を、眠たい目をこすりながらさすってあげたのも思い出だ。 長女も友人の運転する車の助手席で交通事故に遭ったことがある。川口市内の国道で右折車とぶつかった。幸い軽傷で済んだが車の破損は大きく命が助かったのも奇跡だった。「命を助けてもらったんだから。朝出かけて帰ってこない人もたくさんいる。そういうこと思ったら、自分でも一つくらい世の中のために何かしないといけないかなと思った」と大野さん。「高齢者でアクセルとブレーキを間違える人もいる。乗らないことも含め車に乗る人は自分たちで気を付けることが大事」と話す。 ■感謝 2月、大野さんは同署で荻野長武県警本部交通部長から感謝状を贈られた。荻野交通部長は「交通事故のない安全で安心な社会を実現させるため精いっぱい努力したい」と感謝。同署によると義援金は1月末で総額約48万円で県交通安全対策協議会を通じて定期的に送金。大野さんはこれまで同署から4回感謝状を贈られている。