草むしりに庭木の剪定、網戸の張り替えも 高齢者の困り事に企業が連携「てだすけ隊」 熊本市内各地に〝出動〟
熊本市内の水道管の設備工事会社やリフォーム業者などが連携し、高齢者の困り事を解消する「てだすけ隊」として活動している。専門外の要望にも応じる丁寧な仕事ぶりが評判を呼び、市内各地に〝出動〟の範囲が広がっている。 てだすけ隊は、水道管の設備工事などを手がけるサンエス設備機器(熊本市中央区)の部長の堂原秀文さん(73)が発案。高齢化が進む黒髪地区の住民を支えようと、仕事でつながる庭木や大工、水回り、リフォームといった各分野のプロに呼びかけ、2020年に立ち上げた。料金は20分500円から。堂原さんが依頼を受け、適切な業者に現地に出向いてもらっている。 草むしりや庭掃除、庭木の剪定[せんてい]、網戸の張り替え、電球の交換など、幅広い依頼に応える。中には「物置の上に猫の死骸があって困る」「2階のベッドを1階に降ろしたい」といった相談もあったが、何でも引き受けて信頼を得てきた。 当初は月に10~20件だった依頼は現在50~60件に。メンバーも約10人から約20人に増え、てだすけ隊は黒髪地区から健軍、八景水谷などの5グループに広がった。リフォームの相談を受けるといった仕事にもつながっている。
今後3年間で20グループに増やす目標を掲げる堂原さん。高齢者を狙った悪質な訪問業者による被害が社会問題となる中、「住民と顔の見える関係をつくり、安全安心な熊本を目指したい」と意気込んでいる。サンエス設備機器☎096(343)2235。(臼杵大介)