マッキンゼー、トークン化現実資産の規模は2030年までにわずか2兆ドルと予測──広範な普及は「まだ遠い」
基本シナリオでは2兆ドル規模
マッキンゼーは予測の基本シナリオとして、トークン化された資産の市場規模が2030年までに2兆ドル近くに達すると予測した。ただし、この計算ではトークン化された預金、ステーブルコイン、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は除外されている。 マッキンゼーの4兆ドルの強気シナリオは、より受け入れやすい規制や業界全体の協力があり、そして全体に影響する普及を妨げるイベントが起こらないことを想定している。 レポートでは、投資信託や債券、上場投資証券、レポ取引、オルタナティブファンド、ローン、証券化がトークン化の取り組みの先駆者になるだろうとされている。
普及が遅い分野も
一方で著者らは、不動産やコモディティ、株式などの資産での普及はより遅いと予想しており、その理由として、限界利益や実現可能性に関する懸念、複雑なコンプライアンス要件、業界の主要プレーヤーがトークン化を追求するインセンティブの欠如などを挙げている。 多くの機関は依然として「様子見」の姿勢で、トークン化の実施に向けたより明確なシグナルを期待しており、これにより早期参入者が「巨大な」市場シェアを獲得する立場に立つ可能性があるとレポートは指摘した。 プロヴェナンス・ブロックチェーン・ラボ(Provenance Blockchain Labs)のアンソニー・モロ(Anthony Moro)CEOはCoinDesk宛てのメモで、「ブロックチェーン技術はまだ初期段階にあり、既存のプロセスや規格との統合が相当な規模で必要だ」とし、「ほとんどの機関は、トークン化が今後の自身の事業の大きな部分を占める必要があることを認識しているが、技術的な統合が正念場だ」と述べた。 |翻訳・編集:林理南|画像:Ryan Quintal/Unsplash, Modified by CoinDesk|原文:McKinsey Sees Just $2T of Tokenized RWAs by 2030 in Base Case, With Broad Adoption 'Still Far Away'
CoinDesk Japan 編集部