むつ中間貯蔵が操業/規制委から「合格証」
原発の敷地外で使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設(青森県むつ市)が6日、国内初となる操業を開始した。事業を担うリサイクル燃料貯蔵(RFS)が同日午後、事業開始に必要な「確認証」を原子力規制委員会から受領した。県内で稼働した新規の原子力施設は、2005年12月に営業運転を始めた東北電力東通原発1号機(東通村)以来19年ぶり。最長50年で3千トンの使用済み核燃料を貯蔵する計画だが、24年度中は12トンのみの予定。 規制委は6日、中間貯蔵事業の開始について協議。放射性物質を閉じ込める金属容器(キャスク)などの検査結果について報告を受け、「原発と比べてリスクが非常に低い施設」(山中伸介委員長)として「合格」を決定。午後4時、RFSに確認証を交付した。 中間貯蔵施設には、最終検査に用いるため9月26日に東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)から核燃料が入ったキャスク1基が搬入済みで、最長50年と定めた貯蔵期間は既に始まっている。 水や電源を使わず、空気の自然対流でキャスクを冷やす「乾式貯蔵」を導入。RFSは8月に県、むつ市と安全協定を締結し、RFS親会社の東電、日本原子力発電の原発で出た使用済み核燃料を保管する。金属容器で最大288基。25年度2基、26年度3基を運び込む予定だが、中長期的な搬入計画や2棟目建設計画をRFSは示していない。 中間貯蔵は政府が掲げる「核燃料サイクル」政策に基づき、使用済み核燃料の再利用に向けて再処理するまでの間、一時保管する事業。政府は貯蔵後の搬出先を日本原燃・再処理工場(六ケ所村)と想定する。しかし同工場は依然として操業のめどが立たず、安全協定を結ぶ過程で地元側から「永久貯蔵にならないか」との懸念も出ていた。 全国で原発の再稼働が進む一方、同工場に使用済み核燃料を運び出せず保管が逼迫(ひっぱく)する原発もある。東電が再稼働を目指す柏崎刈羽も、貯蔵プールの容量が限界に近づきつつある。