フォーミュラE挑戦のヤマハ&ローラ、提携チームがアプトに決定。新開発の電動パワートレインで2025年からの参戦目指す
先日、フォーミュラE規格のパワートレイン供給開発に関する技術提携を発表したローラとヤマハ発動機。4月11日にはそのパワートレインを使用するチームがアプトとなることが発表された。 【リザルト】フォーミュラEが東京を駆け抜けた! 2024東京E-Prix決勝レース ローラとヤマハは現行Gen3マシンの“Evoモデル”が投入されるシーズン11(2024-2025シーズン)からのフォーミュラE参入を目指しており、ローラとしては10年以上ぶりのモータースポーツ参加。ヤマハの4輪レース活動としては1997年以来となる。 ローラとヤマハのフォーミュラE参戦が発表された東京E-Prixから2週間後、ミサノE-Prixを前にアプトは、マヒンドラとの提携が今シーズン限りで終了し、来季からヤマハとローラが開発したパワートレインを搭載することを発表した。 「フォーミュラEのおける我々の将来において、我々はふたつの有名なパートナーを見つけることができた」 アプトのCEO兼チーム代表のトーマス・ビアマイヤーはそう語った。 「もちろん新しいメーカーが世界選手権に参戦し、その地位を確立するのは大きな挑戦だ」 「しかし、ここ数ヵ月の話し合いや交渉の中で、ローラとヤマハがこのプロジェクトを成功させるために、我々のチームメンバー全員と同様、いかに熟練の技術、やる気、決意を持っているかがハッキリと伝わってきた」 アプトは2014年にフォーミュラEが発足して以来、アウディと共に多くの成功を収めてきた。2016-2017シーズンにはルーカス・ディ・グラッシと共にドライバーズチャンピオンを獲得し、翌シーズンにはチームチャンピオンに輝いた。 アウディが2021年限りでフォーミュラEから撤退した後、アプトもこのシリーズから姿を消したが、2023年シーズンにはクプラとのコラボレーションでシリーズに復帰した。 フォーミュラEに復帰して以来、インドのマヒンドラ製パワートレインを搭載してきたアプトだがなかなか成功を掴めず、今季開幕戦メキシコシティE-Prixの際に協力関係の解消を発表していた。 ローラとヤマハは現在、新パワートレインのテスト中。早ければ6月にもサーキットで走行を開始し、来季からGen3 Evoに搭載される。 「ヤマハ発動機と開発した技術をABB FIAフォーミュラE世界選手権に投入するにあたり、アプトと提携できることを嬉しく思う」 2022年にローラ社を買収し、現在は会長を務めるティル・ベクトルシャイマーはそう語った。 「このスポーツで長い歴史を築き、多くの成功を収めてきたチームと協力できることは、とてもエキサイティングなことだ」 「ファクトリー体制のプログラムを運営することはアプトの十八番で、フォーミュラEでの彼らの経験は、我々に重要な足がかりを与えてくれるだろう。我々は電動レースシリーズ内外で関係を発展させることを楽しみにしている」 またヤマハ発動機の常務執行役員である丸山平二は次のように語った。 「ヤマハ発動機は、サステナビリティに貢献する様々な技術の研究開発を加速させています」 「ローラのテクニカルパートナーとして、フォーミュラEという最高レベルの電動レースを通じて、より高度なエネルギーマネジメント技術を会得していきたいと考えています」 「ローラと協力し、アプトのような素晴らしいチームの成功に我々の技術で貢献できる機会を得られたことを大変嬉しく、光栄に思います」
Stefan Mackley
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