『THE SECOND』今年もチャンピオンが見せた緻密さと持久力 ベテランだからこその業が生きる大会に
直前でネタ変更「めっちゃ怖かった」
ガクテンソクが2代目王者に輝いた、結成16年以上の漫才賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』。18日にフジテレビ系で生放送された「グランプリファイナル」では、昨年を想起する事象がいくつかあり、チャンピオンに立つ漫才師の緻密さや持久力などを改めて感じさせられた。 【写真】なぜか金属バットの抽選を引いたガクテンソク・よじょう
見事優勝を勝ち取ったガクテンソクだが、最初のラフ次元との対決で披露したネタは、急きょ変更したものだった。この理由を、奥田修二は「(勝ち上がったら次に対決することになる)金属バットが291点というすごい点で勝った時に、元々1本目にやろうと思ってたネタじゃないと、金属バットと戦えないなと思ったんです」と明かす。 その結果、この日一度も合わせていないネタで1本目に挑むことに。奥田は「めっちゃ怖かったです」と振り返りながら、「ネタ合わせしてなかったせいか分からないんですけど、普段よりちょっと良かったです(笑)」と思わぬ副次効果もあり、無事1回戦を突破することができた。 実は、前年優勝のギャロップも、準決勝と決勝のネタを急きょ入れ替える作戦を行っていた。予定では、準決勝で「結婚披露宴の料理で“パンが一番美味しかった”と言われたのを嘆くフレンチのシェフ」ネタを披露する予定だったが、対戦相手の囲碁将棋のネタに「副業でパン屋をやりたい」というくだりがあったため、“パンかぶり”を避けたのだ。結果として、「普通なら結構ガチッと緊張するんですけど、意外とリラックスできて、楽しめてできたのが勝因かなと思います」(林健)と、こちらもプラスの効果が働いた。 両者ともにサラッと説明していたが、これは長年にわたって舞台に立ち続けるベテランコンビだからこそなせる業。まさに、『THE SECOND』という大会の特性を象徴する出来事が、チャンピオンで立て続けに起きていたわけだ。その背景には、総合演出の日置祐貴氏が今年の方針として「去年やったものの完璧版を作りましょう」と掲げるほど、昨年の第1回大会から完成度の高いシステムが確立されていることから、戦術が立てやすいこともあるのではないか。