自民静岡県連 井林新会長体制スタート 次期衆院選向け3、8区の空席対応急ぐ
自民党県連は10日、県連大会を静岡市葵区で開き、井林辰憲氏(衆院静岡2区)を会長とする新執行部体制をスタートさせた。派閥の政治資金パーティー裏金事件による逆風が続く中、党推薦候補が敗れた知事選からの組織の立て直しが喫緊の課題となる。井林会長は大会後の記者会見で、空席となっている衆院静岡3区と8区の支部長ポストに関し「来るべき衆院選に向け全選挙区で体制を整えていくことが私に課せられた役割だ」と述べ、早期に結論を出す考えを示した。 3区は女性問題で宮沢博行氏が議員辞職、8区は裏金問題で塩谷立氏(衆院比例東海)が離党し、いずれも後任が決まっていない。井林会長は「解散総選挙と言われた時にはしっかり候補者を擁立できている状態にしたい」と指摘する一方、「前支部長が引退を表明していない中で新しい支部長を決めていくので、ありとあらゆる選択肢を排除せずに選考を進める」とも述べた。 新執行部はこのほか、幹事長に相坂摂治(静岡市駿河区、4期)、総務会長に野田治久(伊豆市、3期)、政調会長に坪内秀樹(清水町、3期)の各県議をそれぞれ選任した。次期衆院選や2025年参院選に向けた党勢拡大に取り組む。 県連会長ポストを巡っては、続投が内定していた城内実氏(衆院静岡7区)が知事選敗北の責任を取って辞任した。大会では「なぜ知事選の敗因を分析しないのか。会場の意見を聞いてほしい」と訴える出席者もいた。 来賓として出席した自民党の森山裕総務会長は裏金事件を巡る政治不信を謝罪し「国民から与党としての立場を引き続き与えていただける政党であり続けなければいけない」と呼びかけた。知事選については「党が不信を買っている時に戦ってもらうのは気の毒だった。当選は果たせなかったが、暗い暗いトンネルの先に明かりを見いだす選挙だった」と総括した。 ■知事選対応で反党行為 党紀委員会の開催決定 自民党県連は10日の役員会で、知事選の対応を巡って反党行為があったとして、党紀委員会の開催を決めた。対立候補を支援した浜松市浜松中央支部所属の市議3人が対象となる。 井林辰憲県連会長は「けじめをつけて、また一丸となって進んでいくことが大事。なるべく早く再出発したいので、スピード感を持ってやってもらいたい」と記者団に述べた。 処分は重いものから「除名」「離党勧告」「役職停止」「戒告」「文書注意」「口頭注意」の6段階。本人との面談などを踏まえて事実関係を確認する。
静岡新聞社