国宝級に美しい29歳、“次世代のカメレオン俳優”として期待大なワケ。「“天皇”を演じた人と思えない!」悪役姿も話題
この1年、縦横無尽の活躍が止まらなかった俳優・塩野瑛久(しおの あきひさ)。大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合ほか)で熱演した、美しく凛とした佇まいの一条天皇が話題に。一転、現在放送中のドラマ『無能の鷹』(テレビ朝日系、金曜よる11時15分~)では別人のような猫背姿勢で、気弱な新入社員・鶸田(ひわだ)を演じています。 そして11月14日、塩野の公式Instagramのある投稿に、「一条天皇と同一人物とは思えない」「まさか鶸田くんだったとは」と驚きの声が集まりました。
映画『八犬伝』では八犬士たちのワイルドな仇役
投稿されたのは、10月25日から公開中の映画『八犬伝』で演じる扇谷定正(おおぎがやつ さだまさ)の扮装ショット。 本作は、里見家の呪いを解くため、八つの珠に引き寄せられた八人の剣士の運命をダイナミックに描く“虚のパート”と、八犬伝を生み出した滝沢馬琴(役所広司)の生き様と浮世絵師・葛飾北斎(内野聖陽)との友情を描いた“実のパート”を交錯させて描いた作品です。 塩野が演じる扇谷は、“虚のパート”に登場する八犬士たちにとって最強の仇。塩野は、帝とは全く違う“悪”の貫禄たっぷりの髭面で、暴君を演じています。クレジットを見るまで、塩野の出演に気づかなかった人もいるのではないでしょうか。
品位ある美しさのなかに、孤独と傲慢や葛藤も
昨年放送されたドラマ『かしましめし』(テレビ東京系)の雨海英治役で一気に塩野ファンになった筆者。デザイナーだったのに営業に配置替えされ、更に恋人にもとことん振り回され悶々とする姿に、ぞくぞくしました。 その後の『光る君へ』への出演は嬉しく思うと同時に「確かに顔は国宝級に美しいけれど、天皇役はまだ早いのでは?」などと、勝手に心配したものです。本当に大きなお世話でした。 政(まつりごと)と貴族の権力争いに振り回されながら、理想と現実とのギャップに苦しみ続けた一条天皇。第15回で初登場した際には、圧倒的美しさと龍笛の音色で一気に視聴者の心を掴みます。これが大河ドラマ初の、本人が吹いた生音だったというから驚きです。以降も、品位ある美しさのなかに、孤独、傲慢(ごうまん)や葛藤も醸し出し、苦悩の生涯を見事に演じ切りました。