【オダギリジョー】「自分の個性は否定するべきじゃないし、むしろそれを求められる俳優になろう」きっかけはエキストラ時代?!
10/27よりフジテレビのFOD、およびAmazonのPrime Videoにて順次配信中のドラマ『僕の手を売ります』。家族のために借金を返済すべく、全国を巡り様々なトラブルに巻き込まれていく男のロードムービー的物語。主演は、飄々と味のあるキャラクターを演じさせたら右に出る者はいないオダギリジョー。こう聞くだけで、もう「面白そう!」と期待が膨らむのではないでしょうか!? 今作ではプロデューサーも務めているオダギリさん。タッグを組むのは、これが3度目となる冨永昌敬監督。長い付き合いの中であらためて感じたお互いへの尊敬、描きたかった家族観、さらにお二人の仕事観についても語っていただきました。聞けば聞くほどドラマを見たくなる、温かくて深いトークをお届けします! 話題のドラマ『僕の手を売ります』でタッグを組んだ【オダギリジョー×冨永昌敬監督】
初めて撮った長編映画の主演がオダギリさんで……
――オダギリさんと冨永監督は、映画「パビリオン山椒魚」(2006年)、『南瓜とマヨネーズ』(2017年)、そして今作と、3度もタッグを組んでいます。何度も一緒にお仕事をしたくなるお互いの魅力を教えていただけますでしょうか。 冨永 僕が初めて長編映画を撮ることになったときの主演がオダギリさんだったんです。なので僕からすると、オダギリさんが基準値と言いますか、ちょっと特別な存在で。それまでの僕は自主製作で映画をずっと作り続けていたんですね。だから仲間内じゃない、仕事として映画を作る人たちは必要最小限のことしかやってくれないものだ、と勝手に思っていたんです。それがオダギリさんは、僕らと一緒になって自由にやってくれて。ありがたかったと言いますか、俳優さんというのはこういう風にしてくれるものだと思ってしまったわけです。こんなふうに脚本を読んで動いてくれるんだ、と。だから毎回、「ああ、帰ってきてくれた」という感覚なんですが、今回が一番お世話になりましたね。 オダギリ 監督の作品は想像力の面で飛び抜けているんですよね。『パビリオン山椒魚』でご一緒する前に監督の作品は見させていただいていて。もうその時点で「すごい監督だ」と確信していました。当時はまだYouTubeやスマホもなくて、自分たちで気軽に作品を作って外に出す、というような時代じゃなかったんです。そんな中で、冨永さんが作っていた作品はすでにプロ並み、と言うよりもそれを超えているように感じて、本当にご一緒できるのが楽しみでした。僕ら2人は同い年なんですけど、やっと自分たちの世代のスーパーヒーローが現れたような。僕からするとそんな感覚で、今振り返るとあの一作に勝負をかけていた気がしますね。実際、とても面白い、他の誰も作れない作品を作り上げることができたので、いつかまた冨永さんと一緒にやりたいなと思っていましたし、11年ぶりに映画『南瓜とマヨネーズ』で呼んでいただいたときは、すごく嬉しかったですね。