山間の無人販売所の棚の端、かごに置かれていたのはへその緒がついたまま布にくるまれた男の子…置き去り発生から2年、いまだ有力な手掛かり見つからず 鹿児島市
鹿児島市西別府町の無人販売所に生後間もない男児が置き去りにされているのが見つかった事件は16日、発生から2年を迎えた。鹿児島西署は保護責任者遺棄の疑いを視野に捜査を続けているものの、手掛かりに乏しく、男児の保護者を特定できていない。同署は情報提供を求めている。 【写真】〈別カット〉男児が置かれていた無人販売所
現場は鹿児島実業高校近くの、山に囲まれた市道沿い。民家が点在し、少し先の頭上には高速道路が走る。人通りは少ないが、車の往来は多い。13日、市道のカーブ沿いにある無人販売所に客の姿はなく、日よけに覆われた金属製の棚には花の苗が並んでいた。 事件当時、棚の端に置かれていた男児は、へその緒がついたまま茶色の布にくるまれていたという。第一発見者で110番した、販売所を管理する女性(72)は「見つけて声を上げた瞬間、大声で泣き出した」と振り返る。「車が頻繁に通る場所。保護者は、誰かに見つけてもらおうと置いたのでは」と案じた。 事件は2022年9月16日午後5時15分ごろ、布のようなものにくるまれた裸の男児が、花や苗を売る無人販売所のかごに置かれている状態で発見された。 同署によると、男児は保護され、健康状態に問題はない。これまで周辺住民への聞き込みや検問、ビラ配りなどの捜査を続けてきたが、今年に入って新たな情報提供はない。中尾直毅副署長は「男児の将来もある。一刻も早く全容解明に努める」と話した。鹿児島西署=099(285)0110。
南日本新聞 | 鹿児島