グリコが停止していたチルド商品の出荷を再開、それでも「プッチンプリン」はおあずけの理由
店頭で「プッチンプリン」が見られるのは、いつになるのか――。 菓子大手の江崎グリコは6月11日、システム障害に伴い4月から出荷を停止していたチルド商品の一部について、6月25日以降に再開すると発表した。 【図表で見る】売り場に戻ってくる商品の一覧はこちら 現在出荷停止中なのは、チルド商品の17ブランド・82品目とグリコが販売を受託しているキリンビバレッジの紙パック商品37品目だ。このうち「アーモンド効果」など自社の6ブランド25品目と「トロピカーナ 100%」などキリンビバレッジの28品目の出荷が順次再開される。
まずはこれらの商品の安定供給を最優先し、ほかの出荷停止中の商品については、準備が整い次第再開していく方針だ。 ■システム改修、仕様も変更し対応 ことの発端は4月3日。グリコが基幹システムを切り替えた際に障害が発生し、一部の受発注、出荷業務に影響が出た。18日には一部業務を再開したものの、システム処理が間に合わず、システム上の在庫数と実際の在庫数が異なるなどデータの不整合が起きた。これ以降、現在まで出荷停止が続いている。
グリコは再開のメドを5月中旬としていたが、安定供給に向けて万全の体制を整えるとして、6月中へと延期していた。 グリコは出荷再開に向け、データ不整合の要因を洗い出し、在庫数のずれが起こりにくいようにシステムを改修。また、万一不整合が起きてもすぐに修正できるよう、システムの仕様を一部変更した。 さらに、オペレーションの見直しや物流倉庫内における現場テストも実施。6月25日以降再開する一部商品について安定供給のメドが立った。
今回「アーモンド効果」が再開の対象となったのは、賞味期限が長いからだ。ほかのチルド商品と比べて長期間在庫を持てるため、再開後に想定を上回る受注があったとしても、欠品するリスクは低い。 一方、「グリコ牛乳」などの日配品も対象となった。賞味期限の短い牛乳が再開される背景には、原料である生乳の調達における事情がある。 生乳の調達量は各メーカーが自由に決定できるわけではなく、業界団体が割り振る仕組みだ。出荷停止による生乳の廃棄を避けるために、グリコに対する生乳の振り分け量は減っていた。