試合後、質問に答える大谷（撮影・小林信行）

　「ドジャース７－１カージナルス」（２８日、ロサンゼルス） 　米大リーグは２８日（日本時間２９日）、米国での本格的な開幕を迎え、ドジャースの大谷翔平選手（２９）はカージナルスとの本拠地開幕戦で３打数２安打１四球だった。開幕戦を行った韓国から戻った後は時差ぼけに悩まされながらも、ホームデビュー戦でシーズン２度目のマルチ安打でチームの勝利に貢献。チケット完売５万２６６７人のスタンドを沸かせた。 【写真】真美子さんに抱きしめられてウトウト顔のデコピンが激カワ 　最後は片手１本。大きな手術痕が残る右腕を伸ばして食らいつく。右翼線際への打球を見て、一塁を蹴った。白地にドジャーブルーが入ったユニホームで臨んだ本拠地開幕戦。大谷がスタンドを埋めた地元ファンを熱狂させた。 　韓国で開幕シリーズ２試合を行ったド軍にとって、仕切り直しとなったホーム開幕。「興奮はしてました」。選手紹介のセレモニーでブルーカーペットを歩いた大谷の心臓は高鳴っていた。 　その流れからの初回だ。場内ＶＩＰルームで、愛犬デコピンとともに応援する真美子夫人の前で快音を響かせた。元巨人のマイコラスに対し、追い込まれながらも外角低めのチェンジアップを右翼線へ。勢い良く二塁から三塁を狙ったが、前のベッツが三塁で止まっていたことに気付くのが遅れ、そのまま三塁でタッチアウト。思わぬ走塁ミスにも、結果的に先制点をお膳立てした今季初長打に、大きな拍手と歓声が送られた。 　「敵の時は怖いですけど、味方の時は心強い。素晴らしい声援をいただいてありがたかった」 　韓国から戻った後は時差ぼけに悩まされた。調整時間は１週間あったが「まだ１００（％の状態）ではない」。８打席無安打だった直近３試合のオープン戦を「体調の管理を含めて、ちょっと難しいところはあった。正直、感覚的には良くなかった」。元通訳の水原氏が違法賭博と巨額借金返済の疑惑で電撃解任。２５日には記者会見を開くなど、野球に集中できる状況でなかったことも打撃感覚を狂わせた。 　チーム練習がなかった前日は３時間の昼寝を取った。体調が上向いたのか、三回は四球を選び五回は時速１８２キロの弾丸ライナーで右前打。「ヒットが出てるのもそうですし、振る、振らないの判断も含めてクオリティーの高い打席だった」と満足感を漂わせた。 　この日は１番ベッツと３番フリーマンが三回に豪快な一発を放った。ＭＶＰトリオで４打点６得点を記録も、大谷は「僕だけホームランを打てなかったんですけど」と笑ってから「いいゲームだったかなと思います」と言葉をつないだ。昨季のＭＶＰで１０年７億ドル（当時の為替レートで約１０１５億円）のメガ契約。本拠地デビュー戦で上々のスタートも、本領発揮はまだまだこれからだ。