咲き誇れ「ヒマワリ」 復興の象徴、黄色い手袋で表現 「感謝と友情」胸に 「神戸マラソン2024」17日開催
阪神・淡路大震災時に国内外から寄せられた支援に対し、被災地から感謝の思いを伝える神戸マラソン。スタート時は約2万人のランナーが着用した黄色い手袋を掲げ、復興の象徴「ヒマワリ」をイメージした光景でフラワーロードを埋め尽くすのが恒例だ。今回は2人一組でたすきをつなぐ「リレーラン」も新設される。1人では無理でも、2人なら-。「助け合いの継走」から、どんなドラマが生まれるか。(大原篤也) 【写真】神戸愛にあふれたメッセージでランナーを応援する女性 コース沿道では歓声と拍手が途切れず、高揚感が漂う神戸マラソン。だが、スタートセレモニーで訪れる「静寂」は、2011年の第1回大会から一貫して受け継がれるテーマ「感謝と友情」の意味を思い起こさせてくれる。 スタートを待つランナーで埋め尽くされた神戸市役所前。阪神・淡路の犠牲者らに黙とうがささげられ、合唱曲「しあわせ運べるように」が流れる。「感謝と友情」には復興、そして現在に至るまで「手を差し伸べていただいた国内外の人々や地域へ感謝の気持ち」を表明する-との思いが込められている。 来年1月17日で30年。犠牲者を追悼し、復興に向けて前を向く被災地の強い決意は今も変わらない。 いよいよ号砲。復興のシンボル、ヒマワリをイメージした黄色い手袋を着けたランナーが手を振りながら駆けていく。すっかりおなじみとなった光景。上下左右に揺れるヒマワリが、今年も笑顔で大会を迎えられたことがどれだけ貴いことかを教えてくれる。 ■2人一組「リレーラン」新設 今年の神戸マラソンではフルマラソン(42・195キロ)を2人一組で走る「リレーラン」が新設された。 第1走者が神戸市役所前をスタート。明石海峡大橋西側で折り返して約20・8キロ地点まで走り、アジュール舞子付近でたすきをつないだ第2走者が残りの約21・8キロを走る。 通常のレースではライバル関係にあるランニング仲間や恋人、夫婦、親子などパートナーは誰でもOK。2人で仲良くフルマラソンの完走を目指す。150組300人の定員に対し、応募は455組910人。倍率は3・0倍で、フルマラソン(2・0倍)を超える人気を集めた。 制限時間はフルと同じ7時間の設定。午前9時のスタート後、午後0時25分までに第1走者が中継所に到達しない場合は「繰り上げたすき」が用意される。「ファンラン」としての扱いで記録は計測されるが、順位はつかず、表彰対象にもならない。とはいえ、初代チャンピオンはどんなペアか-というのは気になるところだ。