年収600万円ですが、40代で「2000万円」の貯金は可能ですか? 老後に必要と聞いたのですが、実際に2000万円以上貯めている人はどれだけいるのでしょうか?
貯蓄をしていく中で、なるべく早い段階で老後資金の準備を終わらせたい人もいるでしょう。近年話題となった「老後2000万円問題」から、老後の必要な資金として2000万円を目安に設定している人も多いのではないでしょうか。 本記事では、資産2000万円以上の人の割合や、30代から貯蓄を開始して40代で資産2000万円を達成できるか試算します。
40代で資産2000万円以上の割合は?
まず、40代で資産2000万円以上を保有している人は実際にどれくらいいるかみていきます。金融広報中央委員会が公表した2022年家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]によると、2人以上世帯の40代で2000万円以上の資産を保有している割合は10.1%です。 また、平均貯蓄額は825万円、中央値は250万円という結果になりました。中央値が肌感覚に近い数字となることが多いため、40代で2000万円もの資産を築くことは容易ではないことが分かります。
35歳から15年間で資産2000万円を築くのに必要な積立額は?
ここからは貯金だけのケースと、資産運用を活用したケースを比較しながら、期間15年で2000万円の資産を築くために必要な積立額をみていきます。試算をおこなうにあたっての設定は次のとおりです。 ●積立期間:15年 ●毎月の手取り:40万円(世帯年収600万円程度を想定) ●運用利回り:4%/年 ■貯金だけで2000万円作る場合 貯金だけで2000万円を作る場合の毎年の必要な貯蓄額は次のとおりです。 【毎年の貯蓄額】 2000万円÷15年=約134万円 毎年約134万円を貯蓄する必要があり、月に換算すると毎月約11万2000円を積み立てていくことになります。 【毎月の積立額】 134万円÷12ヶ月=約11万2000円 このように、毎月の手取り額が40万円の人では収入の30%を貯蓄に回す必要があります。収入の30%と聞いてなかなか実現することが難しいと感じる人は多いかもしれません。 ■資産運用を活用した場合 ここでは、運用利回りが4%で15年間運用する場合、2000万円を達成するにはいくら積み立てる必要があるかみていきます。金融庁のサイトで利用できる資産運用シミュレーションで確認した結果、毎月8万2000円を積み立てる必要があります。 図表1