老舗家具店社長とボーカル活動に奮闘・河村和範の生き方
きっかけは友人の結婚式で結成した限定のサザンオールスターズものまねバンドだった。それがいまや、全国各地でライブを開き今年で結成25周年という「KAWAMURA BAND(カワムラバンド)」を率いる河村和範(52)は、家具店の社長もこなしながらライブ活動に励む。28日には大阪・梅田の「サンケイホールブリーゼ」でライブを開くなど精力的だ。
テレビのバラエティ特番出演で好評価
1990年、友人の結婚式の二次会に一夜限りのつもりで結成したバンドだったが、今やすっかり定着した。サザンオールスターズと桑田佳祐を愛してやまない河村がボーカル。メンバー11人だ。サザンのレパートリーはもちろん、河村によるものまねショー、30人ほどのダンサーによるショータイム、迫力の映像など、一度観ると必ずハマるとも言われる感動のエンターテインメントになっている。 もともと福岡を拠点に活動していたが、2011年テレビのバラエティ特番『世界1のSHOWタイム~ギャラを決めるのはアナタ~』(日本テレビ)に出演し、全国に知れわたった。この時、彼らのステージに100万円の値段がついた。 同年3月11日の東日本大震災の際は、チャリティー活動を決意し、現地に赴いてライブを行った。昨年は年間90本ものライブをこなしている。音楽著作権料は支払ったうえで活動している。
家具店社長とボーカル2足のわらじ
河村は創業100年を超える「河村家具」(本社福岡市)の五代目社長でもある。今でこそ二足のわらじで成功しているものの、社長としての悩みは尽きなかったという。 「これまで家具店の社長とカワムラバンドのボーカル、リーダーとは分けて考えていたが、最近はふたつをクロスし、家具とバンドを融合させた活動を行っています。これには転機となる出来事があったんです」 それはリーマンショックが影響し、家具が売れず、家具業界は厳しい現状にあるからだ。「河村家具は創業105年、五代目として奮闘してきましたが、広告やらイベントやら、いろんな仕掛けをやっても、売り上げがぜんぜん伸びない。そんな時、たまたまハウステンボスさんからカワムラバンドに出演依頼が来たんです。昼と夜の部があって、昼は泉谷しげるさんで、会場には1500人ほど集まってました。すごいなって、自分らは100人くらいかなって思ってたんです。実際、ライブが始まった時、100人ほどやったんです。ところが、終わる頃になると、1500人になってました」