『あぶない刑事』シリーズは今後どうなる?続くための条件とは
レジェンドたちが起こすミラクル
気力、体力の充実はもちろん、スターならではの“持っている”こともレジェンドと呼ばれる所以だと、近藤プロデューサーは劇場版第1作で目撃した出来事に触れる。 「鷹山が、犯人が乗っているトラックと並走するシーンで、砂利が積まれたトラックの荷台にバイクから飛び乗るというアクションがありました。かなり危険なシーンだったのですが、舘さんは自分でやるという話になって……。もしものことがあると大変なので、撮影最終日に行ったのですが、舘さんは一発で成功させたんです。それだけではなく、舘さんがトラックに乗り移ったあと、無人のバイクもしばらく走っているのですが、そこでバイクがシューっときれいな弧を描いて倒れていくんです。そのシーンを見たとき、舘さんだけではなくバイクもしっかり演技をしているなと。僕はそのとき宣伝担当だったのですが『この映画は絶対当たる』と確信しました」。
こうした事例は、『あぶない刑事』のシリーズでは頻繁にあったという。今作でも「舘さんがショットガンを撃つシーンで排莢するのですが、カートリッジが飛んでいくときの画もすごくきれいなんです」とラスト近辺で鷹山が銃をぶっ放すシーンに触れると「一作目を思い出しました。まあ偶然なんでしょうが、『あぶない刑事』というのは舘さんや恭兵さんの圧倒的な存在感によって、細部にまで神が宿っているような感じがします。二人のケミストリーが格好いい世界観を作り上げているんだと思います」と語っていた。
だからこそ「舘さんと恭兵さんが格好いい限りは続けていきたい」と近藤プロデューサーは力説する。続けて「そのためには、二人が面白いと納得してもらえる物語を作っていかなければいけない」と製作陣にも大きな覚悟が必要だという。
『あぶない刑事』は2年後、40周年を迎える。近藤プロデューサーは「さすがにちょっと近すぎませんか?」と笑うと「これまでのスパンを考えると、間隔が短いかなとも思うんです。でも最終的にはファンの方が楽しみにしてくださるかどうかで決まると思うので……」と今作の反響を楽しみにしている様子だった。(取材・文:磯部正和)