阪神・才木浩人 負けない投手として進化し続けた1年/エースの意地
今年のエースは才木浩人で間違いない。昨シーズンまで青柳晃洋、伊藤将司、村上頌樹らが勝利数で上回ったが、2024シーズンの才木は文句がつけようがないパフォーマンスを示してきた。 【選手データ】才木浩人 プロフィール・通算成績・試合速報 「自分を見ているファンには、思い切って投げているところを見てもらいたいですね」 アレンパ(連覇)を狙った今季初登板は3月31日の巨人戦(東京ドーム)だった。開幕から3戦目の日曜日で、そこから「サンデー才木」が続いた。 しかし、交流戦明けの6月25日の中日戦(倉敷)からは、登板日が火曜日になった。相手のエース級と投げ合うことが多いカードの「頭」に変更されたのだ。 「火曜日の男」として8試合マウンドに上がった。才木の安定感が認められた証拠だが、それに応える投球を続けてきた。またチーム連敗を止める「勝てる投手」に成長していった。 「チームが連敗して回ってくるたびに、俺で止めるか! という気持ちでいっぱいでした」 プロ初の2ケタ勝利は、8月20日のヤクルト戦(京セラドーム)だった。7回3安打無失点。10勝目をマークし、一皮むけたところをあらためて証明した。 立ち上がりから飛ばして失点するケースも目立ったが、梅野隆太郎とのバッテリーで打たれたあとは目先を変えるなど修正力も身につけたようだ。 タイトル争いにも参戦ており、完全なエースにのし上がった。早い話になるが、来シーズン以降も、その座を守り続けることができるかに注目したい。 写真=BBM
週刊ベースボール