（写真：東奥日報社）

　五所川原市発注の工事を巡る官製談合事件で、前副市長（71）とともに逮捕された建築設計管理会社役員の男（70）、無職の男（70）両容疑者＝いずれも同市＝が理事や事務局長を務めていた「五所川原建設技術研究会」に加盟する複数の業者が県警の任意聴取に対し、談合を認めていることが捜査関係者への取材で分かった。28日、県警は3容疑者を官製談合防止法違反、公契約関係競売入札妨害容疑で青森地検に送検した。 　県警はこれまで、過去の市発注工事の指名競争入札に関わった研究会の複数の加盟業者に対し、任意聴取を重ねてきた。このうち複数の業者が研究会を介した談合を認めているという。 　研究会は2018年の佐々木孝昌市長就任後につくられたとされ、21年時点では市長支持派を中心とした建設業者100社程度が加盟。会社役員の男は研究会の理事で会計役、無職の男は事務局長を務めていた。無職の男は元市職員。 　加盟業者の一部は東奥日報の取材に対しても、談合が行われていたことを認めている。加盟業者は指名競争入札への参加が決まると、研究会に報告。その後、研究会から特定の業者に対し、落札する業者に決まった旨を伝える電話が入っていた。入札参加業者を把握した研究会側が落札業者の調整を図っていたとみられる。 　落札が見込まれる業者は他の入札参加業者に自社で落札することを伝えた上で入札価格を業者間で決定。落札業者は研究会に落札額の数％を収める仕組みだったとされる。 　3人の逮捕容疑は、21年11月11日に行った市発注の市営住宅外構工事の指名競争入札3件で、共謀し、事前に決めた業者に落札させるために、入札参加業者を選定し、取り決め通りの業者に落札させ、入札の公正を害した疑い。3件の入札に参加した7業者はいずれも研究会に加盟していた。 　前副市長は市の規定により、市建設業者指名審査会の会長に就き、指名競争入札に参加する業者を選定する立場にあった。県警は加盟業者からの聴取内容も踏まえ、事件の全容解明に向けて調べを進めている。 　関係者によると、3容疑者は佐々木市長が初当選した18年の市長選で佐々木氏を支援していた。この時期には既に顔見知りだったもよう。