東南アジア市場へ切り込むVリーグ タイでの配信開始にかかる期待
バレーボールのV1リーグ(1部リーグ)の2023・24年シーズンが10月から男女ともに開幕している。Vリーグは今シーズンから新たな取り組みとして、V1リーグの海外配信を始めた。タイのIT大手「True」が展開する動画配信サービス「True ID」で無料配信されている。特にV1リーグの女子チームには、現役のタイ代表選手たちが多く所属していて、さらにタイではバレーボール人気が非常に高い。また、男子日本代表がタイでも非常に人気が高く、国際試合がタイで行われた際には、タイ代表の試合でなくても会場が満席になるほどだ。こういった日本バレーボールへの注目度の高さに加え、Vリーグ側も海外、特に東南アジアのマーケットを積極的に取り込もうと動いている。こういった背景もあって、VリーグとTrue IDの思惑が一致しての初の取り組みとなった。タイはサッカーに次いでバレーボールが人気で、約2700万人のバレーファンがいるとされている。タイの国内リーグも男女とも人気で日本人選手たちもプレーしている。
■女子の試合を中心に毎週数試合を生配信
9月30日、タイ・バンコクにてVリーグとTrue IDによる記者会見が行われている。同日、日本の男子V1リーグのウルフドッグス名古屋、サントリーサンバーズ、パナソニックパンサーズが、タイの1チームを含めた計4チームによる親善大会『JAPAN VOLLEYBALL ASIA TOUR IN THAILAND 2023「Panasonic ENERGY CUP」』が行われており、その合間に記者会見が行われた。 True IDの権利部門長のKomin Aoudomphan氏は「True IDにとってこのような取り組みは初めて。放送・配信を楽しんでいただくだけでなく、新しい時代のバレーボールをVリーグの皆様と一緒に切り開いていきたい」と話し、現地で調印式に出席したVリーグの横井俊広監事(ウルフドッグス名古屋の運営会社TG SPORTS代表取締役社長)は、「2024・25年シーズンより開始する『Vリーグ・リボーン』の重要な柱であるアジア戦略の一環として、タイ・True IDでの放送・配信が決まったことを大変嬉しく思っている」とあいさつした。 V1リーグの全試合というわけではなく、毎週タイ人選手のいるチームを中心に数試合ピックアップして生配信する形式。特にV1女子チームにはタイ人選手が多く所属していることもあって、2023年内のTrue IDでの配信は44試合が予定されており、その内、男子は3試合だけ、女子は41試合。年明け以降の配信予定の試合はまだ最終決定しておらず、男子日本代表のタイでの人気の高さを考えると、男子の試合が増える可能性は大いにあり得る。