センバツ高校野球 浦学「超攻撃」光る 12安打、零封快勝 /埼玉
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第6日の24日、浦和学院は和歌山東(和歌山)との2回戦に臨み、7―0で快勝した。投打がかみ合い、金田の大会第2号ソロを含む12安打で零封。ベスト4をかけた準々決勝は大会第9日第1試合(27日午前8時半開始予定)で九州国際大付(福岡)と戦う。【平本絢子、橋本陵汰、小林遥】 試合は序盤から浦和学院ペースだった。初回、先頭打者の小林、2番伊丹の連打などと鍋倉の中前適時打で計2点を先制。鍋倉は「1点じゃまだ足りないと思った。センター返しを意識して、(次打者の)高山に回すことを第一に考えた」と話す。 五回の攻撃では金田が大会第2号ソロ。「狙い球を振り抜こうと打席に入った。打った瞬間で手応えは良かった」と、内角甘めに入った直球をフルスイング、飛球はライトスタンドへ。試合後「まさか打てると思っていなかったが、たまたまうまく引っかかった。(ダイヤモンドを)回っている時はうれしい気持ちが大きかった」と、自身にとって公式戦初となる本塁打を笑顔で振り返った。 終盤の七回、八回にも足を使った攻撃で小刻みに加点。二塁打3本を含む12安打で快勝した。 投げては3投手が零封リレー。完封した初戦に続き先発したエース左腕・宮城は、序盤は調子が上がらずマウンドで修正を重ねたという。「直球は良くなかったが、変化球でしっかりストライクを取れた。テンポとリズムを意識し、打たせて取る気持ちが強かった」。7イニング78球を投げ、奪三振10、被安打2で試合を作った。八回以降は浅田、金田が1イニングずつ投げ、いずれも3者凡退の無安打無失点で抑えた。 「超攻撃型野球」を掲げ、初戦から大幅に打順を変更、先発メンバーも替えて臨んだ2回戦。森監督は「打線がしっかりつながり、宮城以外の投手もしっかり投げてくれ、関係者が一丸となった理想の試合展開ができた」と選手をたたえ、準々決勝に向けて「次が勝負だと皆で言っている。しっかり準備したい」と意気込んだ。 ◇体全体使い「覇気」 ○…「甲子園のスタンドで一番目立ってやろう」。野球部の奥虎太郎さん(3年)は応援団長として、体全体を使った大きな振りでアルプススタンドを盛り上げた=写真。中2で見た2018年夏の甲子園準々決勝・大阪桐蔭戦に憧れ、鹿児島市の実家を離れて進学。ベンチ入りはかなわなかったが「甲子園で緊張する選手を後押ししたい」と、声援を送れない中、手の振りで応援をリードする。「グラウンドに覇気が伝わるように。ここから届く応援がメンバーの力になれば」 ……………………………………………………………………………………………………… ■ズーム ◇次は「初戦の分まで」 浦和学院・日高智陽外野手(3年) 一塁コーチとしてグラウンドに立った。相手守備の動きに目を配り、走者に話しかけて鼓舞する。五回裏には高山の走塁が暴投を招き、二塁へ。七回裏にも盗塁を成功させ、いずれも追加点につなげた。 北本市出身で中学時代は全国大会を経験、浦和学院の「全員野球」に憧れて進学した。長身、強肩で外野の守備に自信がある。21年秋の新チームでベンチ入りしたが、県大会は出場機会に恵まれず、関東大会ではメンバーから外れた。打撃で結果が出ず「外野手争いで下級生に負けてしまい悔しかった」。冬は打撃を一から見直し、練習試合で成長をアピールした。 センバツ直前に手にした背番号18。初戦は7番右翼手で先発メンバーに起用された。二回裏、意気込んだ甲子園の初打席。内角の球を振った弾みに右の人さし指に裂傷を負った。 この日は試合開始直前、森大監督から一塁コーチを指示された。チームの快進撃に、次は自身もと復活を誓う。「初戦の分まで、ここぞというところで打って勝利に貢献したい」【平本絢子】