今いくよさん胃がんのため死去 NGK客から悲しみの声
NGKには「今いくよ・くるよ」の看板掲げられ THE PAGE大阪
人気漫才コンビ「今いくよ・くるよ」の今いくよさん(本名:里谷正子さん)が28日、胃がんのため入院していた大阪府の病院で亡くなったと所属事務所が発表した。67歳だった。いくよさんが出演していた大阪市中央区の「なんばグランド花月(NGK)」は通常通り営業していたが、舞台を見に来た人たちからは「ほんまに残念」という言葉が相次いで聞かれた。
NGKには「今いくよ・くるよ」の看板掲げられ
いくよさんは昨年9月に「胃がん」であることを公表し、手術のために休養していた。そして同年12月に舞台復帰を果たし、治療をしながら漫才を続けた。その様子はテレビ番組でも特集され、闘病生活を送るいくよさん、それを献身的に支えるくるよさんの姿が感動を与えていた。 29日、いくよさんがホームグラウンドとしていたNGKは通常通り営業し、いつも通り多くの客が舞台を見に来ていた。正面玄関には「今いくよ・くるよ」と書かれた看板がしっかりと掲げられ、その下に設置されていた「5月劇場プログラム」のパンフレットにも、いくよさんのイラストが描かれていた。
ファン「身近な漫才・あの笑いがもう見られへん」
訃報を知った東京都からの観光客の女性(48)は「私が子どものころ、よくテレビでお見かけしました。漫才ブームの時だと思う。この前テレビで闘病の特集をやっていて、きょうも舞台で会えると思ってたので本当に残念ですね」とうつむいた表情で話した。 また、舞台をよく見に来ていたという浪速区の男性(65)は「いくよくるよの漫才は、昔からおもろかったな。衣装もすごかったけど、なんか身近な漫才やったわ。いくよさんが筋を見せて『コレ御堂筋』とかいう漫才ももう見られへんねんな。同年代やけど、早すぎるで」と悔しそうな表情を浮かべ話していた。 いくよさんに若いころお世話になったというABC朝日放送ラジオの上ノ薗公秀プロデューサーは「悪いというのは聞いていたけど、テレビでは元気そうだったので呆然としました。7年前に新幹線でお会いした時、周りが引くほど私を持ち上げてくれました。あの『褒め芸』ですくわれました。本当にお疲れ様でした」と話している。 通夜は29日、告別式は30日に京都市内で。遺族の意向により近親者のみの密葬で行われるという。後日、大阪市内で「お別れの会」を開く予定となっている。