【ソフトバンク】交流戦V逃すも貯金6積み上げ「投手陣が安定」小久保監督 笹川ら活躍の収穫も
<日本生命セ・パ交流戦:ソフトバンク1-4阪神>◇16日◇みずほペイペイドーム ソフトバンクが、19年以来5年ぶり9度目の交流戦優勝を逃した。阪神に敗れ、楽天に初Vを譲った。それでも主軸の柳田悠岐外野手(35)が負傷離脱した中、12勝6敗の貯金6でフィニッシュ。リーグ戦では2位の日本ハムに8・5ゲーム差をつけ、依然独走中だ。小久保裕紀監督(52)も「優勝の可能性まできたのは想定外だった」と前向きに総括。新戦力も得て、21日ロッテ戦(北九州)から始まるパの戦いに備える。 【写真】少し困った表情で帽子を脱ぐ小久保監督 ◇ ◇ ◇ 試合開始直後、重すぎる4点がのしかかった。1回1死満塁。先発の石川が、阪神前川にグランドスラムを献上した。今季は4点以上のビハインドからの逆転勝利は、ない。立ち上がりから劣勢を強いられ、得点は近藤の10号ソロのみに終わった。同一カード3連勝とはならず。首位タイだった楽天が勝ち、ソフトバンクは交流戦優勝を逃した。 試合後、小久保監督は前向きに交流戦を総括した。 「優勝の可能性まできたのは、ちょっと自分の中では想定外だった。最低5割という中でやってきましたのでね」 それもそのはず。5月30日の巨人戦で、三森が右手人さし指を骨折。翌31日の広島戦では主砲柳田が「右半腱様筋損傷」の大けがを負った。大黒柱を失い、さらに4番の山川は全18試合でノーアーチ。そんな苦境に立たされながらも最終成績は12勝6敗で、貯金6を積み上げることができた。勝因は「ピッチャー陣が安定しているのが一番の理由」と監督は説明した。 大きな収穫もあった。交流戦で1軍昇格したドラフト3位の広瀬と高卒4年目の笹川がプロ初安打、初打点、初本塁打まで飛び出す活躍ぶり。広瀬に関しては直近5試合で打率3割7分5厘の奮闘だ。指揮官も「セカンドはチャンスなんでね」とうなずく。プロ初の6連戦も経験させ「アマチュアとの一番の違いは体力。多分、体はバリバリだと思います。それを乗り越えて」と期待した。 交流戦開幕前は2位の日本ハムと4・5ゲーム差だった。3週間の戦いを終え、8・5ゲーム差に。再びパ・リーグ独走態勢に入った。リーグ戦の再開は21日ロッテ戦。小久保監督は「これで一区切り。4日間ゆっくり休んで中盤戦に入りたいと思います」と手綱を締め、4年ぶりのリーグ優勝を見据えた。【只松憲】 ○…近藤が2戦連発となる10号ソロを放った。7回の先頭打席で才木のカウント3-1からの直球を右中間テラス席に運んだ。「しっかりと自分のスイングができました。何とかここから逆転できるようにしたい」と逆転への願いを込めてダイヤモンドを回ったが、チームは敗戦。2年連続の2ケタ本塁打到達も、勝利にはつながらなかった。