亜熱帯化する日本列島 悩んだ挙げ句、冷房効いた商業施設でウオーキング
スマホの歩数計アプリがこの夏、とみに小うるさい。先日は〈普段より歩かなかったですね。車を使わず、歩く機会を増やしていきましょう〉とのたまう。それができれば誰も苦労しない。 【画像】39度を超えた安芸太田町 かかりつけ医にも「あなたの場合、命取りは動脈硬化。ウオーキングがお勧め」とけしかけられている。そのくせ、「気温30度以上の日に歩くのは危険」とくぎを刺す。広島市街で最高気温30度を下った日は7月17日以来、ゼロ。どうすりゃいいの。 ジムで体を動かしてみたものの、回し車のネズミみたいで気が乗らない。どうやって歩数を稼ぐか。悩んだ挙げ句、大型ショッピングセンターをはしごし、冷房の効いた通路を周回している。 熱中症の警戒で外出は控えよ、との呼びかけは無理もない。ただ、屋内でじっとしているだけでは体に差し障る人もいよう。木陰の連なる並木道や公園が身近にあれば、ウオーキングにも出やすい。そうした街並みの整備こそ健康の街づくりだろう。 気象庁の観測史上、今年は「最も暑い7月だった」という。記録的猛暑だった昨年7月も上回る。列島が亜熱帯化しつつあるのだろうか。緑陰豊かで、風の吹き抜ける街への模様替えが待たれる。
中国新聞社