バリデーターの8%をダウンさせたバグ──イーサリアム、大規模な障害の懸念と小さな希望
バリデーターの怠慢
インキュベーターのKintsugi Techを率いるバリデーターの専門家、ダニエル・ホワン(Daniel Hwang)氏によると、イーサリアム・クライアントの多様性への関心は、イーサリアム・ブロックチェーンがライバルのチェーンよりも高い基準を要求されているという事実にも起因している。 「ほぼすべての他のチェーンでは、イーサリアムのようなクライアント・ソフトウェアの多様性は見られない」とホワン氏はCoinDeskのインタビューに対して答えた。 「ほとんどは、1つのクライアントで動いているだけ。おそらく、イーサリアムはスマートコントラクトチェーンとして支配的であるため、そのハードルが高いのだと思う」 Gethは高い信頼性を誇っているが、ホワン氏によると、イーサリアムのバリデーターの多くは、怠慢から(Nethermindのような代替手段ではなく)Gethをデフォルトで使い続けているという。 彼の経験では、バリデーターは競合するクライアント・ソフトウェアの長所と短所について「自身で調査していない」。 イーサリアム財団は、クライアントの多様性を向上するようバリデーターに促しており、リサーチャーの1人、ダンクラッド・ファイスト(Dankrad Feist)氏が2022年に、バリデーターに支配的なクライアント・ソフトウェアばかりを使用しないよう促したブログは先日、広く引用された。Nethermindの開発には、イーサリアム財団からの助成金が出ている。 ホワン氏は、このような状況にもかかわらずGethが優勢であることを、次のような古いビジネスの格言になぞらえた。 「IBMを買ってクビになる人はいない」 言い換えれば、他の誰もがGethを使っているのなら、たとえ何か問題が起こったとしても、新進のバリデーターがGethを使ったことを批判するのは難しい。 以外だが、ホワン氏は最近のNethermindとBesuのバグに明るい兆しを感じている。 「クライアントがバグに見舞われたことを素晴らしいことだとは言いたくないが、人々が責任について考えるきっかけになるのなら、それは素晴らしいことだと思う」とホワン氏。 「バリデーターたちは、スーパーマーケットの棚からただそれを選び、何か問題が起きたら手を挙げるのではなく、自分たちで最初からチェックすべきだった」 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Bug That Took Down 8% of Ethereum's Validators Sparks Worries About Even Bigger Outage
CoinDesk Japan 編集部