パワー注入「2合飯」 連戦に耐える体づくり 体重管理、開幕までに5キロ増へ /兵庫
今春のセンバツに出場する明石商の選手は、走攻守の練習に加えて食事も大切にしている。連戦にも耐えられる基礎体力と筋力を付けるため、2010年秋から2合分のご飯「2合飯(ごうめし)」を学校に持参し、練習が始まる前などに食べている。おかげで下半身がどっしりとした選手が多く、大学や他校の指導者が感心するほどだ。【黒詰拓也】 18日午後3時半ごろ、授業を終えてグラウンドに降りてきた選手たちがユニホームに着替え、プラスチック製の容器を開けた。中にはご飯がぎっしり。ふりかけをまぶした選手もいる。ほとんど無言でかきこむと、すぐに練習の準備を始めた。 明石商が「2合飯」を始めたのは、10年秋の県大会2回戦で神港学園に0-10で完敗したのがきっかけ。打ち込まれた当時の投手、尾崎貴紀さん(25)=神戸市北区=らが試合後に「パワーが足りない」と反省する姿を見て、狭間善徳監督がチームに“導入”した。 肉やプロテインなどのたんぱく質ではなく、体のエネルギー源である炭水化物の米を摂取するのは、スタミナ面を重視しているからだ。体力をつけて長時間の練習をこなせば、自然と筋肉もついてパワーも増す。 「2合飯」のおかげもあり、尾崎さんは翌11年の春までに球速が120キロ台から130キロ台半ばまでアップ。春の県大会でチームを初優勝に導いた。 現在は体重の管理を徹底している。昨秋の近畿大会終了後に測った値から、センバツ開幕までに5キロ増が目標だ。5日に1回、体重を測定し、その都度200グラム増えているか確認。足りなければ食事量を増やす。スピードも同時に高めるため、筋トレや階段ダッシュも反復している。 勝又真選手(1年)は「みんなたくさん食べている。自分も打球の飛距離を伸ばすために頑張りたい」と話している。 〔神戸版〕