極めろ!沖縄から世界へ 平良達郎、総合格闘技UFCでタイトルへ「誰が来ても怖くない」
沖縄で育った若武者が、世界最高峰の舞台で戦っている。総合格闘技のメジャーリーグとも呼ばれる米UFC。各国の超一流ファイターが、オクタゴンと呼ばれる8角形のリングでしのぎを削っている。アジア男子初のベルトを目指して、平良達郎が圧巻のパフォーマンスを見せ続ける。 【写真】<総合格闘技>修斗の世界王者・平良達郎が渡米、UFC挑戦「3年以内に戴冠」 鋭いストレートやキックで攻め立て、グラウンドになれば鉄槌を打ち下ろす。バックチョークや腕ひしぎ十字固めでタップを奪うフィニッシュ力もある。「強い相手としか戦わない環境にいるので、タフな試合が増える。自分にしかできないMMA(総合格闘技)を常に探していきたい」 MMAには打撃技・組み技・寝技とあらゆる格闘技の素養が求められるが、平良にバックボーンはない。中学までは野球少年だったが「背も小さくて打っても飛ばない。バントばかり練習していた」と笑う。それでも高校から格闘技にのめり込み、17歳にしてプロのファイターとなった。日本の総合格闘技団体「修斗」で戦い、2021年に世界フライ級の王座に。実力で契約を勝ち取ったUFCでは日本人最多の6連勝を成し遂げた。 しかし、タイトルマッチまであと一歩に迫った24年10月の大会のメインイベントで、プロキャリア初の敗北を喫した。「格闘家として、人として強くなれた1戦だ。悔しい半面、うれしさもある。誰が来ても、もう怖くない」。総合格闘家なら誰もが夢見る“頂”に向け平良の新章が始まる。
琉球新報社