JR東海「315系」静岡地区でついにデビュー 一番列車は静岡駅から東海道線を東へ 単独運用で熱海駅へ向けて出発
空調機能もアップしていて、冷房能力は211系より約3割向上。AIが自動で学習し、最適な温度に制御するシステムが導入されました。天井が高く開放感があり、窓には赤外線や紫外線を99%カットする遮熱・遮光ガラスが使われています。 車両性能も向上し、電力消費量は211系と比べて約35%減となり、環境負荷を減らしています。安全面では、台車枠の溶接箇所を313系(これまでの主力車両)と比べて6割削減しています。さらにJR東海の在来線車両で初めて非常走行用の蓄電装置を搭載し、自然災害などによる停電で架線から電気が取れなくなっても、安全な場所まで自力で走行したり、車内の空調を動かしたりすることが可能です。車両と地上間のデータ通信装置(常時状態監視システム)の導入で車両の異常の予兆を検知し、列車の遅延を防ぐなどの機能もあります。 車内のセキュリティも強化されています。非常通報装置は1両に3台、車内防犯カメラは1両に5台設けました。 ■どこを走る?315系 お茶とミカンの車両は引退へ 315系は当面、東海道線の熱海駅と豊橋駅の間を走り、2024年11月から12月頃には、御殿場線や身延線にも投入される予定です。 一方、静岡地区の東海道線を長年走ってきた211系は2024年度末までに姿を消すことになります。211系にはトイレの設備が無かったことから、315系の配備が完了すれば、すべての編成がトイレ付きとなります。211系には緑とオレンジのラインが入り、静岡県民にはお茶とミカンの色の車両として親しまれてきました。 【静岡地区での車両投入の歴史】 1987年 JR東海が発足 1989年 211系 投入開始 1998年 313系1次車 投入開始 2006年 313系3次車 投入開始 2007年 国鉄承継車両の定期運用終了 2022年 313系転配車(名古屋地区→静岡地区)投入開始 2024年 315系 投入開始
静岡放送