メキシコのシェインバウム次期大統領、25年財政赤字は予想超える恐れ
(ブルームバーグ): メキシコのシェインバウム次期大統領は19日、2025年の財政赤字は対国内総生産(GDP)比で最大3.5%に達する可能性があると述べ、以前の政府予測である3%前後に必ずしもこだわらない意向を示唆した。
シェインバウム氏は経営者団体への演説で、同国は責任ある公共財政を維持し、赤字を削減し、26年まで大規模な新規事業着手を見合わせると発言。今年のコスト増加を持ち越さないために政府として運営コスト削減や徴税制度の近代化、税関の改善を進めると述べた。
シェインバウム氏は10月1日に大統領に宣誓就任する。市場が接戦を予想していた今月の議会選は左派与党、国家再生運動(MORENA)が圧勝した。投資家は社会プログラムが予算超過につながることや、議会から抵抗されることなくシェインバウム氏が自身の政策を推進できることに懸念を示している。
シェインバウム氏は同演説で、「われわれは債務とGDPの責任ある均衡を維持し、債務を増やすつもりはない」と語った。
また同氏は新議会の優先課題の一つにすると公約している司法改革について、「この改革が権威主義や権力の集中につながることは決してない。それが目的ではない。司法当局に自律性をもたらすことが目的だ」とし、投資家の懸念緩和に努めた。
シェインバウム氏は就任当初に大規模な税制改革を行うつもりはないとあらためて述べ、政府としてメキシコの発展可能性を高める計画を12月までに立てるつもりだとした。
原題:Sheinbaum Sees Mexico Deficit Possibly Wider Than Forecast (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Maya Averbuch, Michael O'Boyle