県立大が情報社会学科を新設 課題解決へ〝デジタル人材〟育成【山口】
県立大(田中マキ子学長)は来年4月、国際文化学部に人文系と情報技術分野の知識を兼ね備えた人材育成を図る情報社会学科を新設する。13日の会見で田中学長は「地域と企業の仲介役を輩出し、地域活性化につなげたい」と期待を込めた。 地域課題の解決に資するデジタル知識を持った人材の育成が目的。急速に進むデジタル化に対して、利用者の視点で社会実装化を進めていく。 新学科では、1、2年時に学部共通科目で基礎的な数学やデータサイエンス、情報倫理を習得。3年時からゼミに所属し、プログラミングやAI(人工知能)の知識を深めるとともに、企業と連携した課題解決学習など情報技術の社会への還元に向けて実践的に学ぶ。学部では最多の12人の教員を配置し、少人数制で学習を進めていくのが特色という。 今月から運用を開始するインターネット上の仮想空間「メタバース」を用い、他大学や企業と共同の授業も行う。志望者は文系が多く予想されるため、情報技術を学ぶのに必要な微積分など数学の学習のサポートも充実させる。 西田光一学部長は「技術習得よりどう使うかを学ぶことに重点を置き、技術を持つ企業と地域の橋渡しとなる人材を育てる。今でもコンピューター系の企業に就職する学生が一定数おり、一般企業でも情報技術の知識が求められる中で学生のニーズに応えられる」と展望を語る。 岡正朗理事長は「キャッチフレーズは『デジつよ文系』。人はどうあるべきかを問う文系学問を使ってデジタル化による地域課題の解決を図っていく」と意気込みを示した。 推薦、一般を含めて定員は40人。31日と6月14日にオンラインミーティング、6月7、21日にメタバースで新学科説明会を行う。 問い合わせは県立大SPARC推進室(電話083-929-6264)へ。