生田斗真×ヤン・イクチュン、互いに刺激を与え合った『告白 コンフェッション』
親友と雪山で遭難。死を覚悟した男は「最期に聞いてくれ――」とある告白をするが、助かってしまった…。『カイジ』の福本伸行氏と『沈黙の艦隊』のかわぐちかいじ氏の共作で話題となった漫画を実写映画化した『告白 コンフェッション』が公開中だ。“告白”を聞いてしまった男・浅井啓介役を生田斗真が、言ってしまった男リュウ・ジヨンをヤン・イクチュンが演じる。 【画像】映画『告白 コンフェッション』場面写真 ――一夜のサバイバルバトルを描いた原作漫画が、リアルな映像で再現されていて、格闘シーンも非常に見応えがありました。イクチュンさんが演じたリュウ・ジヨンは映画オリジナルのキャラクター設定でしたが、感情が高ぶった時に思わず韓国語が出てしまうところが、「何を言っているのかわからない」という浅井の恐怖を増幅させてとても効果的だと思いました。原作ものを演じる際、大切にされていることは? 【生田】実写映像化する時は、原作へのリスペクトを忘れずに、というのを心がけています。特に漫画は日本の大切な文化の一つですし、漫画の世界にはありとあらゆる物語が存在する。どうすればこんなに面白いストーリーが思いつくんだろう、と思うこともしょっちゅうあります。今回、作画を担当されたかわぐちかいじ先生が現場にいらして、とても満足そうに山小屋のセットをご覧になっている様子を拝見できて、すごくうれしかったです。 【ヤン】漫画には、漫画としての魅力があると思います。それを原作として実写映画をつくる時は、映画として魅力あるものをつくらなければいけないと思いますし、今回、素晴らしい原作で面白い映画をつくれたというのは、本当に恵まれたことだと思っています。 ――ヤンさんがおっしゃるとおり、漫画は次のページをめくるタイミングを自分でコントロールできますが、映画は突然驚かされたり、怖いものを見せられたりしますね。それを演出した山下敦弘監督の印象は? 【生田】ジヨンの告白を聞いてしまった直後、山小屋に避難することができて、そこで救助隊が来るのを待つわけなんですが、この上なく異様で気まずい空気から、閉ざされた狭い空間で生きるか死ぬかのバトルが始まる。大暴れするジヨンが怖ければ怖いほどなんだか観ている方は笑えてくるんですよね。 山下監督は、ゾンビがものすごい勢いで走ってくるとムチャクチャ怖いけど、なんか笑えるみたいな、サム・ライミ監督の『死霊のはらわた』みたいな怖さと可笑しさが共存する作品にしたいとおっしゃっていた。ジヨンの階段落ちのシーンとか、不自然な曲がり方をした首をボキポキッと戻すところとか、怖いけどちょっと笑えるところを要所要所に入れていて、そのバランスはまさに山下監督ならではなのかな、と思います。 【ヤン】山下監督は、外見は穏やかでやさしそうですが、内面はとても強い人だと思います。ワンシーン、ワンシーン、細部に至るまで、自分なりのこだわりが発揮されていて、山下監督ならではのユーモアのある作品に仕上がっていると思います。