「Youは何しに日本へ?」にも登場 外国人が訪れたがる「忍法のメッカ」
テレビの人気番組「Youは何しに日本へ?」で、昨年来、注目を浴びているのが野田市(千葉県)にある武神館(ぶじんかん)の本部道場と、その主宰者、初見良昭(はつみ・まさあき)氏だ。 武道、忍法を学びに、アメリカ、スペイン、ドイツ、ブラジルなど世界のさまざまな国から、一年中、武神館を目指して、たくさんの武道修業者が日本にやってくる。武神館の門人は世界に15万人もいて、彼らは1週間から10日くらいの休暇を取って、数人から数十人のグループで来日し、武神館の本部道場で初見氏の直接指導を受ける。 柔道のメッカ、講道館(文京区春日)、合気道のメッカ、合気道本部道場(新宿区若松町)と並んで、武神館本部道場は武道と忍法のメッカとして、海外に広く知られている。
野田の街を歩くと、彼ら外国の武神館の門人たちが10人くらいで闊歩している光景を目にすることが少なくない。野田市は世界企業キッコーマン本社のある土地であると同時に、最後の忍者にして世界的な武道家、初見氏のいる街として、たびたびテレビや雑誌で紹介されてきた。かつて野田市の消防隊員は忍術の稽古をする、としてNHKテレビのニュースで取り上げられたこともある。 「武道の真髄は忍法にある」と語る初見氏は、忍法、武道を高松寿嗣(たかまつ・としつぐ)氏に学び、戸隠流、虎倒流、玉虎流、高木楊心流、神伝不動流、九鬼神流、雲隠流、玉心流、義鑑流の九流派の宗家であり、ほかの無数の古武術も統合した武神館を主宰している。市川雷蔵の映画「忍びの者」などで忍術指導、武芸考証をしたり、テレビの「忍術千一夜」の連続コーナーで忍術を解説したり、東映の特撮テレビシリーズ「世界忍者戦ジライヤ」で、戸隠流第34代宗家である忍法道場主・山地哲山役で準主演をするなど、忍術普及に活躍。また、アメリカ等海外に武道指導に赴き、その技に世界の多くの人が驚嘆し、指導を受け、その結果、「(日本よりも)世界で有名な日本人」「最後の実戦忍者」「世界最高の武道家」「伝説的な武人」と称されるに至っているのである。 本部道場は、立錐の余地がないほど、たくさんの門人が集まって稽古している。その八割から九割が外国人だ。