スウェーデンの不動産家主SBBを選択的デフォルトに-S&P
(ブルームバーグ): S&Pグローバル・レーティングは、経営難に陥っているスウェーデンの不動産オーナーSBBの発行体格付けを「選択的デフォルト(SD)」と、従来の「CCC」から引き下げた。同社は大幅なディスカウント価格での債務交換を開始した。交換の対象となる無担保優先社債の格付けは「デフォルト」に引き下げられた。
SBB(サムホルスビッグナッズボラゲット・イ・ノルデン)は先月、既存の債券を新たに設立する住宅部門が発行する新証券に交換する債務再編案を投資家に提示した。S&Pは3日、既存債券は平均で額面の60-70%の価格で買い戻されることになると指摘した。
S&Pは発表資料で「SBBによる債務交換提案は、貸し手が受け取る額が額面よりも少ないことから、債務不履行に等しいディストレスト再編だと見なす」と説明した。
金利上昇とそれに伴う不動産価値低下に見舞われたSBBは、償還期限が迫る債務について代替策を模索してきた。割引価格での債券買い戻しに加え、資金調達のために事業を分割し部門の株式を売却するプロセスにも着手している。
SBBは先週、分離した新設の住宅部門を通じて1億1090万ユーロ(約193億円)のユーロ建て新証券と4億1250万スウェーデン・クローナ(約63億円)の国内債券を発行し、投資家が保有する証券と交換すると発表した。
S&Pは、今後6-12カ月の間に「債務不履行が事実上確実」であることを反映し、交換終了後も格付けを据え置くとしている。SBBが再びディストレストと見なされる買い戻しや交換を提案する可能性が高いと指摘した。
原題:Sweden’s SBB Cut to Selective Default by S&P After Debt Swap (2)(抜粋)
--取材協力:Stephen Treloar.
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Christopher Jungstedt