金星にあったはずの「水」はどこに消えた?
あるはずの水
金星に(あるはずの)水はいったいいつどこにいってしまったのか。そして現在微量に残っている水はどれほどもつのか。科学者はこの謎を解くのに長年頭を悩ませてきました。今回の研究は、その答えを出す1つのパズル。 研究が示唆しているのは、解離性再結合というメカニズムを通して水が失われたのではないかということ。これによって、HCO+の陽イオンが水分と混ざり、正電荷をもつ分子を形成。真逆の性質が惹かれ合うことから、この分子は負電荷電子に惹かれ結合。で、こうなるとエネルギー量が多すぎて、分子がくっついていられなくなって発散。惑星の大気の外に飛び出していってしまいます。 Cangi氏は、これが化学の基本現象であることから 金星誕生初期から今日までずっとこのプロセスが行われており、金星にある水の最後の最後まで発散してしまうでしょう。 と語ります。 ちなみに、今回の研究だけで直接的にHCO+と結びつけたわけではなく、一連の研究や金星ミッションのデータから明らかになったことです。 研究チームは、今後計画されている金星探査ミッションVERITASやDAVINCIを通じて、金星大気上部の分子を測定していきたい考え。 研究論文はNature誌にて公開されています。
そうこ