ドラフト会議で話題の「調査書」ウラ話…あるスカウト「届いたからイコール指名ではない」 慶大・清原正吾に各球団が“出さなかった”ワケは?
全球団から「調査書」が来たが…「指名のなかった選手もいた」
「1通や2通なら、私だって疑ってかかりますけど、12球団の半分以上から“調査書”が来たら『こりゃあ、どっかあるだろう』と誰でも思いますよね」 そうはならなかったある高校の関係者の方が「まだ釈然としません」と、首をかしげる。 「聞いた話ですけど、全球団から調査書が来ているのに指名のなかった選手もいたそうですから。ウチなんか、しょうがないのかもしれませんけどね。でも、選手がかわいそうですよ。夏、負けても泣かなかったヤツが、ショックを受けて泣いていましたから」 わざわざ遠くから関東大会を視察に来ているのに、なかなか試合に集中できませんよ……困った顔で笑っていた。 プロ志望届を提出した選手に、プロ球団から送られる「調査書」。つまり「野球的身上調書」みたいなものなのだが、これが届いたといっても、イコール指名とはならないことは、数年前にプロ関係者から聞いていた。 「最近は、その傾向はもっと強くなっているでしょ」 あるスカウトの方が、このような「実状」を教えてくださった。 「ここ数年、若いスカウトも増えた。まあ彼らだって、自信を持ってやっているんですけど、やっぱり大きな活字で扱われている選手には、(調査書を)『出しといたほうが無難だろ』というのがあるんじゃないのかな。自分たちの評価とは別にね」 「裏帳簿みたいなものですかね」と余計なことを言ったら、 「ルールは外してないでしょ。若い衆も一生懸命なんですよ、チームから怒られないようにね」 諭されてしまった。 「今は、調査書より面談ですよ。面談の申し込みがあったら、プロも本気かなと思ってもらってもいいかな。やっぱり顔を合わせておくと、後から知らんぷりもできないし。こっちとしてもある程度、球団の承認を得て、気持ちも作っていないと会いには行けない」 そこで話は、自然と今年のドラフトで話題になった清原正吾選手の方向に進んでいく。 <次回へつづく>
(「マスクの窓から野球を見れば」安倍昌彦 = 文)
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