チャールズ国王

イギリスの母の日だった3月10日（現地時間）、大手写真エージェンシーや通信社は、ケンジントン宮殿が公開したキャサリン皇太子妃と3人の子どもたちのポートレートを「過度の加工が施されている」として、配信停止とした。 【写真】袖口や床があまりに不自然…「フォトショ加工」が施されたキャサリン妃の公式ポートレート写真 前例のない措置がとられたその写真について、宮殿側もまた、過去にあまり例のない「謝罪のコメントを公表する」という対応を取った。キャサリン皇太子妃は「アマチュアの写真家として、編集を試みることもある」として加工を認め、謝罪している。 ケンジントン宮殿が1月中旬に突然、「ロンドン市内にあるロンドン・クリニックで予定されていた腹部の手術を受け、療養中」だと発表してから、およそ2カ月、キャサリン皇太子妃は公の場に姿を見せていない。一連の報道を受け、SNS上には陰謀論や、憶測を含んだ投稿があふれかえっている。 こうした状況について、がんとの診断を受け、治療中のチャールズ国王はどのように考えているのだろうか？ バッキンガム宮殿の関係者は、「最新の状況を常に把握している」国王は、報道やSNS上でのやり取りが過熱する現在の状況を、「それほど心配していない」と話している。 ただ、たとえチャールズ国王が冷静さを保っているとしても、宮殿のすべてのスタッフが、国王と同じ気持ちでいるわけではない。この関係者は、次のようにも述べている。 「一部のスタッフは、（ケンジントン宮殿は）はなんとひどい対応をしたのだろうと、にわかには信じられない思いでいます。世界中に向けて公開される写真に、十分な注意を払わなかったのです。宮殿内の誰も、公開前に写真をチェックしようと考えなかったのでしょうか？」 AP通信、ロイター通信、ゲッティ・イメージズなどが、キャサリン皇太子妃のポートレートには「明らかな加工ミス」が複数あるとして報道機関への提供を中止したのは、ケンジントン宮殿がその写真を公開してから、わずか数時間後だった。 このときには、シャーロット王女の左袖の一部が欠けていることや、妃が着ているジャケットのジッパーにおかしな点があることが指摘されていた。 ただ、バッキンガム宮殿の関係者は、次のようにも述べている。 「まったく不運なことだった、とも言えるでしょう。インターネット上でヒステリックな、加熱したやり取りが行われていても、それはすぐに収まるだろうと受け止められています」 いっぽう、別の関係者は13日、キャサリン妃について、「すべてのことを考慮してみれば、元気だといえる」と明かしている。1週間以上前に出かけたときには、「笑顔を見せ、明るく、外出を楽しんでいる様子」だったという。 「（現在の状況は）妃に、いくらかのストレスをもたらしています。ですが、ネット上でのやりとりも、さらには報道さえも、あまり気にしないようにしているようです」 「忘れられているように思うのですが、これはただ、ひとりの母親が、厳しく精査されることになる写真のなかの家族を、最高の姿に見せようとした、ということなのです」