慶大・清原正吾が早大KO弾 大勝負での一発に「父親のDNAですかね」 父・和博氏の前で4安打の大暴れ
東京六大学野球秋季リーグ最終週第1日(9日、慶大9-1早大、神宮)1回戦が行われ、慶大が9-1で早大に完勝した。西武、巨人などで通算525本塁打を放った清原和博氏(57)の長男、清原正吾内野手(4年)が3号ソロを含む4打数4安打1打点の固め打ち。春秋連覇にあと1勝の早大は、2季連続48度目の制覇を持ち越した。10日の2回戦で勝てば優勝が決まるが、連敗すると勝ち点4、8勝3敗2分けで明大と並んで優勝決定戦が実施される。 【写真】本塁打を放った慶応大・清原正吾がスタンドの父・和博さんの方を指さす 負ければ優勝を見せつけられる早慶戦第1ラウンド。2-0の六回1死、慶大・清原が3号ソロを放った。約2万6000人の観衆の視線が注がれる中、悠々とダイヤモンドを一周。ホームを踏むと、バックネット裏で見守っていた父・和博さんを指さした。 「『見たか』という気持ちと、ここまで育ててくれてありがとうという気持ちを込めました」 早大のエース伊藤樹が投じた初球だった。シュート回転で真ん中に入ってきた132キロの直球をはじき返し、左翼スタンドへ。伝統の一戦で勝負強さを見せつけ「父親のDNAですかね」と笑った。この日は自身初の4安打。一回、四回と右前に流し打つと、八回の最終打席も右前へ。本塁打もさることながら課題としていた逆方向への安打に「自信になった」と白い歯をこぼした。 両親にホームランボールを贈るという入学当初の目標は、この秋に2本放ったことで達成済み。3本目は弟・勝児(慶応高)に贈るといい、「僕のボールが原動力になって、大学生活を頑張ってほしい」とエールを送った。 10月のドラフト会議での指名漏れについては「ポジティブに切り替えられた」と新たな気持ちで臨む。進路への言及はなく、いまは目の前の一戦に集中する。「全てを出し切って、みんなで笑って終わりたい」。背番号3が大学最後の公式戦で大暴れする。(児嶋基) ■清原 正吾(きよはら・しょうご) 2002(平成14)年8月23日生まれ、22歳。東京都出身。小3で軟式野球を始める。中学時代はバレーボール、神奈川・慶応高ではアメリカンフットボール部に所属。慶大で野球部に入り、2年秋のリーグ戦でデビュー。3年春に初安打を放った。今春リーグ戦では13試合の出場で打率・269(52打数14安打)、0本塁打、7打点で初のベストナイン受賞。今秋は打率・265(49打数13安打)、3本塁打、5打点(9日現在)。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。