【解説】規正法改正・採決見送りに 局面打開への3つの“シナリオ” 岸田総理は?
■人事着手? 幹事長交代は…
──そして2つ目のシナリオ、党役員・内閣改造の人事ですが、具体的には誰を変えるとみられているのか。 平本キャップ 「今、一番言われてるのは、茂木幹事長の交代です。いまのチーム岸田の混乱は岸田総理と茂木幹事長のギクシャクした関係が影響していると見られています。ある総理側近議員は『ゴタゴタの根本原因を変えるべき』と次の幹事長探しに動いています」 ──“この人”という候補者はいるのか? 平本キャップ 「いま最も有力なのは石破茂氏です。新しい顔で刷新感を出し反転攻勢を狙う戦略と見られます」 「実は、石破氏にもその声は届いていて、石破さんは周辺に対して『打診を受けたら、受けないとは言いづらい…』と悩んでいる様子です。一方、石破さんに『受けるべきでない』と忠告する動きも出ています」 「ただ人事にはリスクも伴います。仮に意中の人に断られれば『岸田さんは見離された』と求心力は一気に低下します。人事も簡単ではありません」
■“体力回復”狙う「総裁選再選」
──そして、3つ目。体力回復、総裁選での再選を目指すということですが、9月の総裁選で再選というのも簡単ではない状況でしょうか? 平本キャップ 「簡単ではないのですが、岸田総理の周辺からは、このシナリオを推す声があります。総理周辺は『有力なポスト岸田はいない。総裁選を行えば勝てる』とみています。ただ、党内を広く取材すると、総理サイドのこうした『見立て』は“甘い”という声が多いです」 「何より、総裁選で投票権を持つ自民党議員の岸田総理に対する不満はたまりまくっています。選挙で勝てる『新たな顔』の待望論は今後、高まると思います」 「さらに、ある閣僚経験者は今の混乱ぶりから『総裁選に出る前に退陣に追い込まれる』と予測しています。岸田総理にとってどの道を進むにしても、厳しい状況と言えます」