鹿児島東西道路の地下トンネル貫通に遅れ 2025年5月予定が夏~秋完成に 「JR線や調整池下を慎重に掘削」と国道事務所
鹿児島市で工事中の鹿児島東西道路下り線地下トンネルの貫通時期が、当初予定の2025年5月から、同年夏~秋に遅れる見通しであることが9日、分かった。事業主体の国土交通省鹿児島国道事務所は、JR線や調整池の下を掘るため、より慎重に工事する必要があると判断した。 【写真】鹿児島東西道路の区間を地図で確認する
東西トンネル下り線は田上インターチェンジ(IC)から甲南IC=仮称=まで2.3キロ。工事は23年11月に甲南側から始まり、中洲通りの地下を大型掘削機械シールドマシンで掘り進めている。マシン後方の設備が整い、今月9日に本掘削が始まった。 国道事務所によると、これまで掘削したのは6日時点で約176メートル。鹿児島市電の下を掘った際、想定外の状況は起きなかったものの万全を期して予定より作業ペースを緩めた。今後、JR線や東雲川調整池(武岡1丁目)付近を掘る際、影響を与えたり何らかの構造物に接触したりしないよう作業する。 貫通後も非常駐車帯などを設置する必要があり、開通までにはさらに数年かかる。具体的な時期は未公表だが、大きな遅れは見込んでいない。追加予算も現時点では発生しないという。 当初の工期約19カ月の半分を超えた現在、掘り進めた距離は1割弱。これまでは地下空間が狭く、掘削した土砂を排出するベルトコンベヤーを入れられず1日最大約5メートルほどのペースだった。本掘削が進めば1日約9~10メートルになる。
東西道路は九州自動車道鹿児島ICと甲南IC3.4キロを結ぶ。市街地へのアクセス向上と渋滞緩和が目的。着工時期未定の上り線を含めた総事業費は1188億円。
南日本新聞 | 鹿児島
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