元の場所へ戻ってきた若隆景「そういう感覚もあります」2場所連続で大の里に勝利し4勝2敗
<大相撲九州場所>◇6日目◇15日◇福岡国際センター 東前頭2枚目若隆景(29=荒汐)が、新大関大の里に2場所連続で土を付けた。3日連続となった結びの一番で殊勲の勝利。初日から3連勝のあと大関戦で2連敗を喫していたが、“三度目の正直”で4勝2敗とし、白星を2つ先行させた。大の里は2敗目。大関豊昇龍と前頭阿武剋が全勝をキープした。 ◇ ◇ ◇ 悲鳴と歓声が交錯した。新大関として注目される大の里を、若隆景が秋場所に続いて撃破。立ち合い鋭く当たった後、相手が引いたところを見逃さなかった。「前に出られたので良かった」。土俵際の粘りで勝った秋場所とは一転、この日は快勝といえる相撲内容に「自分の相撲に集中した」と実感を込めた。 結びの一番での白星は関脇だった昨年の春場所13日目琴ノ若戦(現琴桜)以来602日ぶり。前回は白星を手にしたが、取組中に右膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い、幕下まで番付を落とすことになった。はい上がり、今場所は上位総当たりの地位まで戻ってきた。4日目は琴桜、5日目は豊昇龍と大関に連敗したが、3日連続となる結びの一番で新大関から勝利。元の場所へと戻ってきた実感はあるかと聞かれ「そういう感覚もあります」と小さくうなずいた。 師匠の荒汐親方(元前頭蒼国来)は今場所の若隆景について「思い切り相撲が取れている」と評する。12勝で殊勲賞を獲得した秋場所以上の活躍も期待されるなかで、若隆景は「また明日がある。集中していきたい」。優勝経験を持つ実力者が、九州場所をさらに盛り上げる。【奥岡幹浩】