旭川実対クラーク　完封勝利を挙げたクラーク・辻田（撮影・黒川智章）

＜秋季高校野球北海道大会：クラーク2－0旭川実＞◇17日◇2回戦◇大和ハウスプレミストドーム 　連覇した22年以来の優勝を狙うクラークが4年連続の8強進出を決めた。背番号3の右腕、辻田丞投手（2年）が旭川実打線を3安打無失点に封じ、10月6日空知地区代表決定戦滝川西戦（1－0）に続く2試合連続完封勝利を挙げた。 　今秋、地区から公式戦4戦目の登板で26回1／3連続無失点。最速145キロの直球にスライダーやチェンジアップなどで打ち取った。「今日は途中からスライダーがいい感じに決まるようになってから、投球が楽になった。4回に2死からスライダーで左打者から見逃し三振を取った時にいけるなって気持ちになった」と振り返った。 　今夏は北北海道大会決勝で白樺学園に敗れ、あと1歩で甲子園を逃した。決勝で先発した辻田は先制を許した2回途中で2番手にマウンドを譲った。「緊張はいつも1イニング抑えたらなくなるけど、あの時は2回もずっと緊張していて、途中から頭が真っ白になってしまった。初めての経験だった」と悔しがる。秋にリベンジするため、長いイニングを投げきれる精神力を身につけようとした。練習試合からピンチで粘り強さを意識。チェンジアップは握りを工夫して「すごく自信がある」。頼もしさが増した。 　22年センバツに出場した同校OBで亜大2年の兄旭輝投手の背中を追ってクラークに入学した。当時の兄と同じ背番号3。エースナンバーを狙っていたが「すごく悔しかったけど、兄が3番をつけて全道優勝してるから験担ぎっていう意味で」と、佐々木啓司監督（68）から託された番号。「自分がいい投球をしてチームを勝たせないといけない。自分が引っ張っていくという気持ち」と、自覚をあふれさせる。兄と同じく聖地に立つためには、残り3勝だ。