「うるせえ」「ふざけんな」 警視庁がトー横で22人一斉補導 少女〝守る〟男らと攻防も
冬休みを控え、少年らが東京・歌舞伎町の一角「トー横」周辺に集まり犯罪に巻き込まれたりするのを防ごうと、警視庁は7日と14日の夜から翌日早朝にかけ、深夜徘徊をしていた男女22人を一斉補導した。 【写真】「トー横」に集まる若者ら ■薬品過剰摂取が増加 少年育成課によると、四国地方や大阪府から訪れていた者もおり、最年少は12歳の中学1年の少女だった。保護者に引き渡したり児童相談所に引き継ぐなどした。 同課によると、今年11月末までの歌舞伎町での補導人数はのべ725人。約8割が少女で、SNSでトー横の様子を見て興味を持った者も多いという。医薬品の過剰摂取(オーバードーズ)による補導が22人で、前年同期の13人に比べ増加傾向だ。 また、同課は四国地方の高校2年の少女(17)を自身の元に来るよう誘惑して歌舞伎町などで連れまわしたとして、未成年者誘拐の疑いで住所、職業不詳の斎藤英理人容疑者(31)を逮捕した。 斎藤容疑者と少女は約1年前にナンパで知り合い、今月14日午後8時~翌日午前3時ごろの間、少女を連れ去って誘拐したという。補導活動中の捜査員の職務質問で発覚した。 ■少女抱える男ら 「俺らが責任持つって言うてるやん」「これで18歳だったらどうするんだよ」 終電もなくなりかけた12月の日曜日の午前0時半ごろ。トー横の路上にいた幼く見える少女に一斉補導活動中の捜査員が声をかけると、少女を取り囲んでいた男5人ほどが途端に少女と捜査員の間に割って入った。 少女は眉毛あたりに黒々とした前髪を切りそろえ、膝上まで届くロングシャツに素足でキャラクターのサンダル姿で、路上に座って男らと会話していた。東京都青少年健全育成条例は、午後11時以降の未成年者の外出を制限。捜査員らは少女の年齢などを尋ねようとするが、男らは少女を抱え込み、「うるせえ」と大声を上げる。 「本人から話聞きたいから一回離れて。話せないことあるかもしれないじゃん」。繰り返し話しかける捜査員に対し、男らは詰め寄って顔にたばこの煙を吹きかけたり、大声を上げたりして妨害。少女をかばっているように見える一方、攻防が長時間に及ぶと退屈になったのか、外国人観光客に話しかけたり、仲間とシャドーボクシングをしたりして遊び始めた。 1時間以上が経過し、女性捜査員が少女を集団から引き離して歌舞伎町交番へと連れて行った。「ふざけんな」。男らは追いかけて交番に押し入ろうとするが、警察官が制止して付近に怒号が飛び交った。