レッドソックスで監督3人退場の珍事
■初回にファレル監督が退場処分に レッドソックス対レイズ戦のア・リーグ東地区の“最下位決定戦”は、死球禍あり、乱闘寸前、一発触発の睨み合いあり、退場者続出の波乱の一戦となった。ファレル監督を筆頭に計4人の退場者を出したレッドソックスは、2人の監督代行も次々退場処分に。“4人のリレー”で指揮を執る異常事態となった。 発端となったのは、初回。二死一塁からレイズの先発プライスが、主砲オルティスの背中に死球を与え、両軍に警告が発せられた。これを不服として審判に詰め寄ったレッドソックスのファレル監督が、ベリノ球審から退場処分を受けたのが、嵐の始まりだ。 ■上原、田沢もにらみ合いに“参戦” 緊張が一気に高まったのは、四回だ。二死二塁からプライスがカープに、この日2個目となる死球をぶつけた。この瞬間、両軍ベンチは空っぽに。全員がマウンド付近に飛び出した。オルティスは味方選手に羽交い締めにされながらも、レイズ選手に向かって怒声を張り上げる。上原と田沢は、右中間外野にあるブルペンからマウンドに走り、睨み合いに参加。プライスがそれでも退場処分にならなかったことに激高したロブロ監督代行が退場処分を受け、レッドソックスはバターフィールド三塁コーチがその代行を務めることになった。この結果、ベイラー一塁コーチが三塁へ廻り、ロドリゲス打撃コーチ補佐が一塁コーチへ、コーチ陣もシャッフルに次ぐシャッフルで大忙しだ。 ■3人目の指揮官 バターフィールド監督代行が退場 だが、それだけでは終わらない。六回一死からは、レッドソックスの先発ウォークマンがロンゴリアの頭上へ抜ける危険球。これで、ウォークマンとバターフィールド監督代行が退場処分を受け、レッドソックスはこの日“4人目の監督”となったコルブラン打撃コーチが“監督代々々行”(?)を務めた格好。 「プライスが、いい投手というのは認めるが、オルティスへの死球は故意だ。その上、カープへの1球は首に来た。退場にすべき。納得できない。そもそも、3人も死球をぶつけられたウチが4人も退場しているのに、奴らは何で退場者ゼロなんだ?」と、ファレル監督は審判団の“不公平判決”に不満爆発だったが、先週末のレイズの本拠地での同カードでも両軍がつかみ合いの乱闘となり、2人が退場処分を受ける経緯があっただけに、この日の審判団は、特別な厳戒態勢を敷いていたようだ。試合後、代表取材に応じた審判団のケロッグチーフは「コミッショナーオフィスから報告を受けていた。あの状況下では、秩序を保つ必要があった。プライスを退場にして、喜んだボストン側が秩序を乱すようなことにしたくなかった」と事情を説明した。