富山県産海産物を缶詰に、国内外で商品展開 仕出し料理のテイスト(朝日)、訪日客の土産品にも
富山県の朝日、入善、黒部の3市町で仕出し店などを展開するテイスト(朝日町月山)は、県産の海産物の缶詰の製造販売に乗り出す。工程が簡単で保存性に優れる特徴を生かし、国内外に展開するほか、インバウンド(訪日客)向けの土産品としてもアピールしていく。18日に缶詰製造を担う新工場の竣工(しゅんこう)式があり、水下大輔社長(49)が「地域で培った技を生かして国内外に届けていきたい」と話した。 テイストは仕出し料理「八鮮」のほか、生花店、酒店、北日本新聞販売店などを展開する。30年以上がたった工場の更新に合わせ、3市町以外の商圏を見据えた新事業を展開することにした。 消費期限が常温3年と長く、県産食材にこだわって商品の幅を広げられるとして缶詰を選んだ。季節ごとに旬の魚介類を使ったアヒージョやしょうゆ煮、みそ煮などを提供する考え。航空機の制限で菓子類が定番となっていた訪日客の土産品としても売り込む。
新工場は、朝日町企業団地内で取得した旧倉庫を改築。専用の製造機器は缶詰工場支援会社の浪速工作所(大阪)から導入した。手作業ながら食材を詰めた缶を6秒ほどで密閉し、約120度で加熱する工程も簡単で、約2週間の検品を経て出荷できる。 今後、商品の試作を続け、7月から本格稼働する予定。1カ月で1万個の製造を目標にしており、贈答用を中心としてECサイトなどで販売する。水下社長は「訪日客にも富山の海の幸を手に帰国してもらえるようPRしたい」と語った。