満島ひかり、『ラストマイル』&「アンナチュラル」&「MIU404」豪華俳優陣の揃い踏みに「エネルギーがいっぱい」と惚れ惚れ
大人気ドラマ「アンナチュラル」「MIU404」と同じ世界線で物語が展開する“シェアード・ユニバース”、完全オリジナル映画『ラストマイル』(8月23日公開)の完成披露舞台挨拶がTOHOシネマズ新宿で開催され、満島ひかり、岡田将生、ディーン・フジオカ、大倉孝二、酒向芳、宇野祥平、安藤玉恵、阿部サダヲ、石原さとみ、井浦新、市川実日子、綾野剛、星野源、麻生久美子、塚原あゆ子監督が登壇した。 【写真を見る】満島ひかり、ふわりと広がる花柄ドレスに赤パンプス&赤リボンを合わせて登場 本作は「アンナチュラル」、「MIU404」の塚原監督と脚本の野木亜紀子がタッグを組んだノンストップ・サスペンスエンタテインメント。11月、流通業界最大のイベントのひとつである「ブラックフライデー」前夜、世界規模のショッピングサイトから配送された段ボール箱が爆発する事件が発生。やがて日本中を恐怖に陥れる連続爆破事件へと発展していく様子を描く。この日のMCは、「MIU404」でおなじみのキャラクター・ポリまるの声を担当していた緒方恵美が務めた。 舞台挨拶の直前には、新宿歌舞伎町のタワーステージ&シネシティ広場に敷かれたオレンジカーペットを闊歩したメンバー。TOHOシネマズ新宿へと移動し、上映前の会場に登場した。満島は豪華メンバーを見渡し、「ずっと感極まっている状態」と感激しきり。クロストークがスタートするや、岡田のお腹が鳴ってしまうハプニングもあり、隣にいた満島が「めっちゃお腹鳴っているけど、大丈夫!?」と心配して会場も大笑い。周囲からは「すごい音がしました」「アメとかパン、ありますか」とツッコミが入り、岡田は「ごめんなさい!」と恐縮するなど、和やかな雰囲気で舞台挨拶がスタートした。 満島は、連続爆破事件の収拾に奔走する本作の主人公・舟渡エレナ役を演じた。「アンナチュラル」、「MIU404」と世界線がつながる本作に出演が決まった時の感想に話が及ぶと、満島は「脚本はとてもおもしろいけれど、一度読んだだけでは難しくて。『私はここで中心に立てないかもしれません』という話をしていた」と告白。「ちょっと違うことをしてみようと思って、熱海の温泉に入って、海の向こうを見ながら視野を広げて脚本を読んでみた。そこで『できるかもしれない』と思って、(プロデューサーの)新井(順子)さんに電話をしました。新井さんからは『当て書きって言っているじゃないですか』と言われて(笑)。できあがった映画を2回、観た時に『あ!当て書きだ』と思いました。改めて脚本力と演出力に感動しました」と実感を込めた。エレナとコンビを組む梨本孔役の岡田は、脚本を読みながら「アンナチュラル」と「MIU404」のキャラクターが出ていることを知り、「すごい!」と思いつつも「“出る出る詐欺”なんじゃないかと思った」とにっこり。エレナの上司である五十嵐役のディーンも「ハンパねえって思いました」と“シェアード・ユニバース”に参加した感動を口にしていた。 3作品すべてに出演している毛利刑事役の大倉は「『MIU404』の撮影中に、塚原監督と雑談をしていて。その時に(本作の)構想を先に聞いていた。本作の話をいただいた時は、『あの時のやつ、来やがったぜ』という気持ちでした」と自慢顔を見せた。すると「アンナチュラル」チーム、三澄ミコト役の石原が「『アンナチュラル』の撮影終わりに、監督が『アベンジャーズをやりたいんだよね』とおっしゃっていた」と先に聞いていた様子で、大倉は「大恥をかいた」とぼやき節。 本格的に本作が始動することは「綾野さんからのメールで知った」という石原。「綾野さんから『ミコト、やったね』というメールが来て。その場でマネージャーさんに『綾野さんから、こういうメールが来ています!どういうことですか!』と聞いて、脚本を渡されて。うれしさを通り越して、爆笑してました。すごくうれしかったです」と熱弁した。綾野は「知っているものだと思っていたから…」と申し訳なさそうにしていた。 同じく「アンナチュラル」チーム、中堂系役の井浦は、出演が決まって「すぐに髪を伸ばした」と役作りを回想。「『アンナチュラル』の最終話の一番最後に、野木さんが『彼らの旅は続く』という一言を添えてくれた。その旅がずっと続いていて、『ラストマイル』まで続いていたんだなと思って。脚本を読んだ時にグッとくるものがありました」と胸を熱くしていた。東海林夕子役の市川は「ミーコートー!」と東海林らしく石原に語りかけ、石原が「東海林、ちゃんとやって」と答えるなど、「アンナチュラル」の世界が目の前に広がるような光景に会場からも笑顔がこぼれていた。 「MIU404」チーム、伊吹藍役の綾野は「『MIU404』の最後のセリフも『ここからだ』という言葉で終わっている。こういう形でつながったことが、とてもうれしい」としみじみ。「MIU404」の撮影中に監督から本作の構想をすでに聞いていたといい、「『MIU404』を撮っている時も、メガネや衣装をちゃんと残していかないといけないなと思っていた。今日もこれは、伊吹がつけていたメガネです。もしかしたら今日が最後かもなと思ったので、一緒に立とうという気持ちでした」とキャラクターへ愛情を傾けた。また志摩役の星野は「僕は『MIU404』の前に、この話を聞いていた。多分一番早いと思います。『こんなのができたらいいよね』という状態で聞いていた」そうで、自分より先に本作の構想を聞いていた人が続々と出現するたびに、大倉が「やめてくれ!」「もうなにも言わないでくれ」と訴えて会場も大爆笑。星野は「『MIU404』に(『アンナチュラル』に出演していた)松重豊さんや飯尾(和樹)さんが出てくださったりする時点で、着々と伏線が張られているなと思っていた」と明かしていた。 “シェアード・ユニバース”の生みの親の一人である塚原監督は、キャスト陣に目を向けながら「出てくる前に廊下で見ていても、異種格闘技戦のよう。キャラクターが大渋滞しちゃって。ワイワイしていた」と楽しそうに切りだし、「この熱量が、皆さんに幸せに届いてくれるといいなと思います」と心を込めた。「試写を観た日からずっと緊張している」という満島は、「今日、一人一人の俳優さんに会って、同じ時代にこんなにエネルギーがいっぱいある人たちと同じ仕事ができている。すごくうれしい」と感激しながら瞳を潤ませ、「画面からそれがすごくあふれている。塚原さんはこれだけの人たちを『すごい』と夢中にさせるような演出をしてくれる。野木さんの脚本は、これだけの俳優さんたちをして『難しい』『奥が深すぎる』と言わせたりする。そんな作品にまだまだ出会えているということに感謝しかない」と熱っぽく語り、大きな拍手を浴びていた。 取材・文/成田おり枝