梅雨の時期は役立たず?濡れると能力がうまく発揮できないバトル漫画の強キャラ3選
■『暗殺教室』殺せんせー
次は松井優征氏による『暗殺教室』(集英社)に登場する殺せんせーだ。殺せんせーは人体実験をされた最強の殺し屋で、人間離れした能力を持っている。普通のナイフや拳銃では殺せない肉体、最大マッハ20での移動が可能というトンデモ生物だ。 そんな殺せんせーには意外と数多くの弱点(テンパるのが意外と早い、色仕掛けが結構効くなど)があり、中でも致命的なものが水に濡れること。身体が水を含んでしまうと吸収して膨らみ、それによって身動きが取りづらくなってしまうようだ。 しかし、殺せんせーはそんな弱点をみずから生徒たちに明かしていた。弱点も知った上で殺してみろという、彼なりの激励なのだろう。だからこそ、殺せんせーを追い詰めるための作戦には何度も大量の水が使用されていた。 それでも生徒たちは殺せんせーを殺すのに何度も失敗しているので、彼の用意周到さや弱点をカバーできる実力がうかがえる。さすが最強の殺し屋である……。 殺せんせーにはトンデモ生物のわりに弱点が多いから倒せそうにも思えるが、もし『ジョジョ』のカーズのような究極生命体だったとしたら、それこそ絶望しかない。
■『ジョジョの奇妙な冒険』レッド・ホット・チリ・ペッパー
最後は荒木飛呂彦氏による『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社)から、水に弱いスタンドを紹介したい。それが音石明の使用する「レッド・ホット・チリ・ペッパー」だ。 このスタンドは電気を媒介として出現し、電力がある場所なら自在に移動でき、その大きさによって強さも変わってくる。 家庭用コンセントから登場した時は、常に電力が流れている状態というところから、東方仗助や虹村形兆を圧倒していた。しかし、億泰のバイクのバッテリーで電力供給していたときは、これまでの強さはない。さらに電力が尽きそうになって消えてしまいそうになるというマズイ状況にもなった……。それでも、地下ケーブルを掘り当てると奇跡の復活を遂げ、あり得ない強さになったから驚きだ。 そんなスタンドにも電力供給や絶縁体以外の弱点があり、それが「塩水」をはじめとする電気をよく通す物体である。そうしたものの中に放り込まれると、蓄積した電力が分散されて力を失ってしまうのだ……。 実際に作中では、海水に浸かったせいでスタンド能力が失われてしまっていた。このスタンドの場合、純粋な水や雨に弱いというわけではないのだが、これもまた一種の“濡れると弱くなる”例のひとつだろう。 濡れると能力が出せなくなるキャラは、そのことに対して準備しているキャラと、そうではないキャラに分かれる。やはり自分の弱点も含めて戦局を組み立てないと、最強の能力でもあっさりと敗北してしまうのだろう。
大山元