仙道敦子さん「不妊治療を経て授かった子どもとの時間が嬉しくて、仕事のことは1ミリも考えませんでした」|STORY
主婦を全うして生きてきたけど、子どもはそんなお母さんを望んでい なかったかもしれません
私は毎日家のこと、子どものことをきちんとしてあげられるように日々一所懸命で、帰ってくる家族を「おかえり」と出迎えてあげることが母親として当たり前だと勝手に思っていました。ただ、ある日娘に言われたんです。「お母さん、私一回でいいから自分で鍵持って開けてみたかった」って。 無いものねだりなのかもしれませんが、自分がこうしないとダメだって思っていた素敵なお母さん像って、子どもにとってはそうでもなかったりするんだなと気づきましたね。ご飯がつくれなかったことが一回だけあって、「おかあさん今日はUber 頼もうよ、やってみたかったんだ!」って娘が嬉しそうに言ってたこともありました。振り返ると、もうすこし「お母さん業」を怠けてもよかったかもしれませんね。そう気づけたからこそ23年間、そろそろお母さんも違うことやろうかなって思えたんですよね。 お仕事して帰ってきて、「今日久しぶりにあの人とお仕事したんだけど、とっても素敵だったよ」と話すと子どもたちも喜んでくれて。私にとっては長かったけど、いろんなことに気づけた大切な25年間 でしたね。これから残りの人生は違った形の幸せを探していけたらいいですね。 衣装協力:ブラウス¥42,900(バーニーズ ニューヨーク)ピアス¥101,200 2連リング¥159,500リング¥110,000(すべてマリハ)パンツ、シューズ/ともにスタイリスト私物 撮影/古水 良 (cheek one) ヘア・メーク/野中真紀子(eclat) スタイリスト/小川真央 取材/小出真梨子