ビル下敷きの居酒屋、川崎で再開 輪島に戻る日を夢見て
能登半島地震で倒壊したビルの下敷きになり、妻と長女を失った石川県輪島市の居酒屋「わじまんま」の店主楠健二さん(56)が10日、かつて家族で暮らした川崎市で店を再開した。楠さんは「これは再スタートではない。今も心にぽっかり穴があいていて、ずっとあの日からつながっている」と語り、輪島に戻る日を夢見て歩み始めた。 店は京急川崎駅から近いビルの地下1階に構えた。魚などの食材は能登から配送で取り寄せ、能登半島の地酒「奥能登の白菊」や焼酎「能登ちょんがりぶし」などもそろえた。店内には輪島から持ち帰った、能登の祭りで使う灯籠「キリコ」が飾られている。