出自情報の開示請求年齢など議論 熊本内密出産、12月に報告書
病院以外に身元を明かさず出産する「内密出産」を導入している熊本市の慈恵病院は6日、生まれた子が自身の出自を知る権利の保障に関する検討会の最終回を熊本市と共に病院内で開いた。出席者によると、これまでの会議では開示の際に親の同意が必要な情報の種類の整理や、子による開示請求を認める年齢を巡り、大きな議論になったという。 検討会は昨年7月に初会合が開かれ、11回目となる今回が対面での協議としては最後となる。開示する出自情報の範囲や手続きなどの課題を整理して詳細を詰め、国への提出も視野に12月に報告書をまとめる方針だ。 会合後に報道陣の取材に応じた同病院の蓮田健院長は「この問題は、出自を知りたい赤ちゃんの権利と、匿名性を守ってほしい実親の権利が対立する」と指摘、現時点での報告書の完成度は「7割ぐらい」と説明した。 座長を務める文京学院大元教授の森和子氏は「(慈恵病院の)後に続く医療機関などの参考になるように検討してきた」と振り返った。
検討会は市のこども福祉部長や蓮田氏のほか、弁護士などで構成されている。