実はNISAでも「金(ゴールド)」が買える! 価格上昇が止まらない「金」に賢く投資する方法とは?
今までの常識を覆す「金」の高騰とは…
「金(ゴールド)」の価格上昇が続いている。4月に入ってから、国内外の金価格は連日のように最高値を更新。その勢いはまったく衰える気配はない。この上昇相場の背景を探るとともに、NISAでできる金投資の方法について、専門家が解説する。 【実名公開】楽天証券の中に人に聞く「オルカン」「S&P500」との組み合わせに向く日本株アクティ ◆海外の金融市場の話題の中心は「金」相場 国内は、日経平均株価の34年ぶり最高値更新の余韻が冷めないが、海外の金融市場の話題の中心は「金」相場だ。昨年から、ほぼ一本調子で上昇カーブを描いており、今年に入ってからも次々と高値を切り上げている。国際的な指標であるNY金先物価格は、4月3日、1トロイオンス(=31.1035グラム)あたり2300ドル台に突入。国内の小売価格も1グラム=1万2000円台の動きとなっている。 今、金が注目されている最大の理由は、上昇スピードもさることながら、これまでの〝常識〟をことごとく破って高騰しているからだ。 ◆価値が失われない実物資産 従来、金は「有事の金」といわれ、〝安全資産〟として投資家から選好されてきた。「有事の金」とは、戦争や大規模災害、世界的な経済危機といった〝有事〟が生じたときに、資産として金が買われやすくなるという意味。有事では、株式や債券といった「ペーパー資産」の場合、発行している企業や国が危機に瀕すると、価値が大きく減少する可能性がある。その点、金はそれ自体に価値がある「実物資産」なので、価値が失われることはない。 実際、2000年以降をみても、’01年の米国同時多発テロや’08年のリーマン・ショック、’20年の新型コロナウイルス大流行、’22年のロシアのウクライナ侵攻といった有事の際、ことごとく金は買われてきた。 ◆「有事の金」は昔の話!? だが、足元の金価格上昇は「有事になっているから」ではない。たしかに、ロシアのウクライナ侵攻の行方は見通せず、中東地域ではイスラエル・パレスチナ紛争が激化している。一見、有事の様相を呈しているが、冷静にみると、現在の世界経済や金融市場は動揺していない。それどころか、世界的な株高とドル高が継続している。 資産としての金は、教科書的にいうと、株やドルの値動きとは「逆相関する」のが通説となっていた。逆相関とは、値動きが〝逆〟になるという意味で、だからこそ、株やドルが下落する有事のときに金が買われてきたのだ。 しかし、’22年あたりからは、値動きが同じ傾向になる「順相関」となっており、しかも、株やドルを上回るピッチで上昇を続けている。これが、金が金融市場で大きな注目を浴びている理由である。