金本阪神が抱える日替わり4番以外の懸念とは?
阪神の金本監督が27日、横浜市内で行われたセ・リーグのファンミーティングで「固めることができない」とずっと語っていた今季の打順構想について語った。ファンのアンケートによって作られた仮想打順を見た金本監督は、「メンバー的にはほぼこれに近いかな。でも打順はこれではないなあ」とニヤっとした。 この日、スクリーンに映されたのは「1番・高山」「2番・北條」「3番・糸井」「4番・原口」「5番・福留」「6番・鳥谷」「7番・上本」「8番・梅野」だった。 おそらく打順の違っている部分は「4番・原口」が「4番・福留」となる部分だろう。オープン戦終盤には「2番・上本」「7番・鳥谷」という布陣も試していた。金本監督は、こうも付け加えた。 「4番は、どっしりと固定されるのがいいかもしれないが、状況、調子を見ながら4番にこだわることはないかなと。昨年も広島は固定せずに勝った。こだわりを持たないように臨機応変に柔軟にやっていきたい」 昨年の阪神は、4番に起用したのは3人。福留が103試合、退団したゴメスが35試合、原口が5試合だった。金本監督が「臨機応変」と含みを持たせたのは、相手ピッチャーの右、左、相性、あるいは調子によって、左の福留と、右の原口をツープラトンで起用する構想がメインにあるためだ。連戦などの中で、40歳の福留の疲労度を考え、休ませながら使おうと計算しているのだろう。場合によっては、4番打者ではなく4番目の打者という発想で、仰天の4番打者が登場するのかもしれない。 では日替わり4番で勝てるのか。金本監督は「広島も固定せずに戦った」というが、広島にしても昨年の開幕時は、中日から獲得したルナが4番だった。故障で途中離脱したが、オフからキャンプ、オープン戦と通じてチームとして「ルナ4番構想」の下スタートしていた。阪神とは少々事情が違うのである。 阪神OBの評論家、池田親興さんも、「日替わりということは、要するに4番不在なのだ。40歳の福留が、143試合に出場することは難しいだろう。コンディションを整えながらの起用になると試合数も限られてくる。本来ならば、そこを埋めるのは外国人だったのだろうが、4番タイプではないキャンベルを取ってきているし、そのキャンベルも故障で開幕に間に合っていない。 確かに若手は育っているが、不安はぬぐいきれない。今年のセ・リーグは、本命と考えていた巨人の補強がうまく機能していないため間違いなく混セになるが、申し訳ないが、現状阪神はBクラスに予想せざるを得なかった」と厳しい見方をしている。 新外国人のキャンベルも、手首の故障で開幕に間に合わず、まだ日本野球への適応度もはかりかねている。キャンベルは4番タイプではないが、この誤算も日替わり4番にならざるをえない状況につながっている。 「4番が打てば勝つ」は鉄則だが、それ以上に4番がバッテリーに与える心理的プレッシャーで、3、5、6番と連動することが重要だ。四球によるつなぎや、チーム貢献が得点力アップにつながる。3番最強説や、近年では、2番最強説を唱える指導者もいるくらいで、4番以上に、重要なポイントもある。 阪神の場合、昨季スタメンから外れるほど地獄を見たベテラン鳥谷の復活問題だ。